HOME >
テレビ・ラジオ番組 >
生きる×2
>
第170回 焼き芋夫婦の鎌倉冬物語
第170回 焼き芋夫婦の鎌倉冬物語
◇リメイク版が2007年日本民間放送連盟賞テレビ教養番組部門で優秀賞受賞!◇
古都鎌倉。毎年冬になるとこの町に、リヤカーをひいて焼き芋を売り歩く老夫婦がやってきます。山形県山辺町に住む吉田政男さん(79)・とよさん(79)のふたり。雪のため農業ができなくなる冬の出稼ぎとしてこの町で芋を売り始めて50年になります。「おじさんおばさん、ことしも来てくれたんだね」、行く先々でおなじみさんとかわすあいさつ。東北弁まるだしの純朴な人柄が焼き芋以上にうけて「鎌倉の冬はあの笑顔抜きには語れない」とすっかり市民の人気者です。ふたりが商売をはじめたころは同じ村から20人ほどが湘南に焼き芋の出稼ぎに来ていましたが、いまはもう吉田さん夫婦だけになりました。「体が続く限り来るよ、鎌倉の人に助けられて芋を売ってきたんだもの」。ことしも鎌倉の町に焼き芋釜の蒸気の音がピーッと元気に鳴り響きます。

年齢をいうのは失礼ながら、ことしそろって80歳を迎えるお二人です。リヤカーに乗せる釜は焼き芋用の小石もふくめておよそ60キロあるそうですから、これを毎日引っ張るのは相当難儀なことだろうと水を向けると「軽いもんだ」とけろっとしておっしゃいます。鎌倉の人たちが吉田さん夫婦のリヤカーにやってくるとき、みんな笑顔でやさしい顔になっていることに気がつきました。ふるさとのおじいちゃん、おばあちゃんに久しぶりに会ったという感じです。「また今年もお互いに元気だったね」「また来年ね」というやりとりが、行く先々でごく自然にかわされていてなんとも心地よく温かく映りました。ことしもお二人は元気に鎌倉へでかけていきました。寒い山形から「ほっかほっかの冬」を届けに行く・・・なんて痛快じゃないですか。
<ディレクター 大沼潤>
*吉田さんご夫婦の焼き芋をお正月(三が日のみ)に買える場所
…銭洗い弁天の周辺(銭洗い弁天はJR鎌倉駅から徒歩30分ほど)
※そのほかの日は鎌倉市内をリヤカーで移動しています。(特に決まった場所はありません)