財団法人 民間放送教育協会

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第178回 「馬の神様」と呼ばれて 優秀作品賞(再放送)

2007年2月25日(日) 中国放送制作 

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広島県の世羅町に「馬の神様」と呼ばれる装蹄師がいます。福永守さん77歳。この世界の第一人者で全国に150人以上の門下生がいます。装蹄とは、馬の蹄を削り、保護用の蹄鉄を打ちつけることをいいます。紙一枚の精度が求められる職人技の世界で福永さんが「馬の神様」と呼ばれる由縁は、獣医さえ匙を投げだした故障馬を装蹄治療し、何度もレースで勝たせてきたからです。福永さんは馬の歩く姿を見・足音を聞くだけで、故障箇所を当て治してしまいます。その仕事振りは「外科手術」とも称され、今も福永さんでなければ治せないという馬の治療依頼が絶えません。弟子達には馬への愛情と職人技を伝授すべく、厳しく指導にあたります。死ぬまで勉強と語る福永さん、「馬に呼ばれる装蹄師になれ」といいます。


ディレクターズ・ノート
福永守さんは仕事には厳しいけれど優しくお茶目な方です。職人として弟子に求める域は高く、その技と心を継ぐのは並大抵のことではありません。もちろん私たちも仕事をする上で職人たらねばなりません!福永さんの生き方に触れる中ですっかり感化されていきました。そして「馬の神様」を語る上で欠かせない人物がいます。妻の信子さんです。家庭や金銭面はもちろん、あまりに福永さんの装蹄する馬が勝つので、暴力団が脅しに来たり、国税の査察が入ったりしたこともあるそうです。そんな修羅場を一人で切り抜け、弟子へのフォローなど全ての雑事を切り抜けてきたのです。まさにコインの裏表のように夫婦二人で「馬の神様」を作り上げたのだと思います。最後にカメラマンから「これから精進して職人になります」との宣言。私も福永ご夫妻の域に達するのは難しいですが、職人たらんと心して日々邁進していきたいと思います。皆さんが番組を見終わって、何を感じていただけるか楽しみです。
<(入社歴9年目の!)ディレクター 安部貴美子>


*福永さんの「装蹄治療院」
広島県世羅郡世羅町山中福田1063-3  Tel)0847-37-2058

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