




取初めて取材に訪れたとき、鵜殿さんから「チンパンジーの笑顔が分かりますか?」と聞かれました。私たちがショーなどで笑顔だと思っていた顔は、違ったのです。そこで今回は彼らの「いい顔」をたくさん撮ろうと決めました。それこそがサンクチュアリでの幸せ度合いを示す一番の方法です。ただ、取材スタッフはチンパンジーたちにとって見知らぬ侵入者。おまけにカメラのレンズや、長く伸ばしたマイクは恐怖心を覚えさせるに充分な代物です。近づけば脅され、水をかけられ、はたまたウ○○(ピーッ!)まで・・・。しかし、通ううちにチンパンジーたちのいろんな表情に気付くことができました。特にサンクチュアリのスタッフに見せる甘えた顔、頼ってる顔、怒られていじける顔。そこにはチンパンジーの幸せを最優先してきたスタッフとの信頼関係が見えてきます。「幸せとは何事もなく楽しく暮らすことではない。チンパンジーらしく暮らすことだ。」つまりは変化のない日々よりも、山あり谷あり、生きてる実感がある毎日を。自分に当てはめてミョーに納得した言葉です。
◇ディレクター:熊本放送 中村レン◇