「人気沸騰のお米をつくる、若きコメ農家の物語」
近畿有数の米どころ、滋賀県高島市。石津大輔さん(36)は、農薬を使用しない"有機栽培"で米を作る農家で、コシヒカリやミルキークイーン、もち米などを作っています。ネット販売の口コミで評判が広がり、毎年、作った米は予約でほぼ完売。
石津さんが営む「針江のんきぃふぁーむ」は、米の生産だけでなく、販売・加工も手がけていて、古代米や手作りのもちも人気商品です。
もともと、ファッションの道を志し、大阪で古着屋を開いた彼が、コメ農家に転身した理由とは。コメ農家として、彼が一番大事に思うこととは。湧き水豊かな高島・針江地区で、土を耕し、水と向き合う、若きコメ農家の物語です。
取材後記
ディレクター:寺尾光洋(朝日放送)
今回取材した田んぼを初めて見たのは、8月上旬。青々とした稲と、澄んだ水がとても印象的でした。
それよりも印象的だったのは、農家・石津大輔さん。髪を束ね、アップルウォッチを身につけて颯爽と田んぼに向かう姿は、いわゆる“農家らしくない”のですが、さまざまな面で厳しい農業を、軽やかに、しなやかに、熱く営んでいるのを見て、“カッコイイ”と率直に感じました。
有機栽培は、雑草対策など手間がかかりますが、環境に優しく、おいしい米作りを目指す石津さんが、一番こだわっているところ。高島・針江地区は湧き水が豊かな地域で、いたるところを川が流れ、どれもが澄み渡っています。地元の環境を守ることは、農業を続けるためにも必要なことです。
取材で高島を訪れるたびに、美しい景色に迎えられ、石津家のあたたかい歓迎を受けました。いただいた新米ごはんは、ほんとうに美味しかった!収穫量に1年の収入が大きく左右される、農業の厳しさも垣間見ました。できることなら、1年を通して米作りを見てみたかったと思います。
12月、滋賀・高島に雪が積もったと、取材したコメ農家の石津大輔さんから連絡がありました。春まで田んぼは雪の中。美しい高島の風景にふれるために、とびきり美味しいお米に出会うために、再び高島を訪れたいと思っています。