財団法人 民間放送教育協会

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全国・地区大会情報

調査報告

平成17年度 「関東・中部・北陸地区研究協議会」東京大会報告

平成17年10月1日(土)

「教育と放送の役割」フォーラム
テレビ・ラジオとの上手なつきあい方


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10月1日(土)
(財)民間放送教育協会「関東・中部・北陸地区研究協議会・東京大会」は、テレビ朝日が主管局で平成17年10月1日 有楽町マリオン・朝日ホールにて行われました。
当日は開場に大勢のお客様がお越しくださいました。


まずは、主管局を代表し、テレビ朝日 広瀬道貞代表取締役会長があいさつ。

続いて、文部科学省生涯学習政策局 田中壮一郎 局長(写真右)、総務省通信制作局地上放送課 安藤英作 課長がご挨拶されました。

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「情と情報のあいだには」

五木寛之さん 記念講演


情報とは、一般的にその状況やデータ的な事柄を届けるということが現在使われている言葉の表現方法です。しかし本来「情」=「心」という意味があり情報とは情(心)を伝達するからこそ情報というのであり、つまり心を報じてない情報は人の心に届かないといったお話でした。ウイットに富んで何度も観客を沸かした講演は大好評でした。




「教育と放送の役割」フォーラム

テーマは「ラジオ・テレビとの上手なつきあい方」 


今回のフォーラムのコーディネーターは、スーパーモーニングでおなじみの鳥越俊太郎さんの予定でしたが、急病のため急遽ご出演いただけないことになってしまいました。ピンチヒッターとしてスーパーモーニングで鳥越さんとご一緒している渡辺宜嗣アナウンサーにお願いしました。

「朝まで生テレビ」で当日早朝まで仕事をしていた疲れも見せず、議論を仕切っていきます。どんなフォーラムだったか少しご紹介しましょう。
会場アンケートの結果はこちらです。

w1.jpgコーディネーターとして急遽参加、

テレビ朝日渡辺宜嗣アナウンサー




shimomura.jpg文部科学政務官 下村博文さん


nami.jpg女優 奈美悦子さん

渡辺 : テレビ・ラジオとの上手なつきあい方についてまず、率直に思う事は?


原 : メディアは子ども達の価値観、モラル、善悪の判断に相当強く影響していると言われているが単に送り手側(放送人)の問題だけではなく、受け手側(視聴者)にも責任はあるのではないかと感じている。


下村 : テレビにはプラス面とマイナス面があり、そのマイナス面の改善をどうすればよいのか、昔と今では環境が違うので、その辺りを改善していかなければならない。また、テレビの視聴時間が長い子ども達は、比較的共感性がなかったり、消極的であったり、切れやすいという傾向がある。テレビの視聴時間と比例して、そうこう子ども達が多いというのも客観的な事実として受け止めなければならない。


奈美 : 難病を克服した後の記者会見後、反響がものすごく大きく、改めてテレビの影響の大きさを感じた。




橋下 : テレビの影響について国民側が過剰に考えているのではないか。実はテレビはそれほどものものではないと思う。


村尾 : 私にとってテレビは、好奇心や探究心を満足させてくれる先生だった。番組の作り手側としては、子ども達にわくわくした気持ちを感じてほしいと思う。


渡辺 : 60年代の後半から70年代ぐらいにかけて、アメリカのニュース番組で一つのニュースを伝えるのに使われる政治家のコメントが平均で42秒だったのが、最新のデータでは8秒だそうです。しかし8秒の中に心がこもっていなければ視聴者は見抜きますよね。


原 : 8秒で世の中の事を伝えられるでしょうか? 物事の本質を要領よく簡易に伝えられる言葉が見つかればそれは良いことだけど、キャッチフレーズの連続のような会話になり、複雑になっている社会や真実を的確に伝えられるのかは疑問。テレビがこういったワンフレーズ社会を促進しているのなら、もう一度考え直すべきではないでしょうか。


橋下 : ワンフレーズで真実を伝えるのは無理な事で、やはりテレビは思索をする場ではないと思う。思索をすることは別の場所で時間を置いてするべきで、テレビに自分の思想を固めるとか、子どもの教育を担わせることを要求するのはどうかと思います。テレビで教育は絶対にできないと思います。


下村 : 電波法というのがあってテレビのすべての番組の中で、教育番組を10%以上、教養番組を20%以上しなければいけないのです。ですからテレビに教育を期待してはいけないというのは全然違う話なのです。


奈美 : テレビを見る事によって親子の会話が増えたことも確かです。「あのテレビについてどう思う?とか、私はこう思う」など、コミュニケーションは結構とれました。反抗期で難しい時期でも、テレビの話題でずいぶん救われたこともありました。ただ「勉強をテレビで」ということは考えたこともないですし、勉強になったかなと言われれば疑問に思います。

hashimoto.jpg弁護士 橋下徹さん


kankyaku.jpgメモを取るなど熱心な観客


hara2.jpgBPO前委員長 原寿雄さん




渡辺 : 「テレビと教育と子ども」というテーマは30年ぐらい前から語られているテーマだと思うのですが。


原 : 青少年委員会に来る青少年からの批評で多いのは「子どものことが、大人に理解できるのか?」という点です。つまり大人の立場で子どものことを考えており、子どもの視点に立って物事を考えるべきだと思います。


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橋下 : 実態としてテレビの制作サイドが教育番組を作ったとしても視聴率が稼げない。だから、テレビで教育番組をやろうと思ったって、成功しないということは充分分かっているのではないでしょうか。


村尾 : 子ども向けの教育番組をつくると、どうしても説教臭くなったり、押しつけがましくなったりしがちで、かなり難しいかと思います。だからやはり、大人が見ても、子どもが見ても良い番組を提供したり、品位や謙虚さをもつことは必要で、メディアの信頼性というのが前提にないと、子ども達の信頼を失うということにつながってしまう。ですから、制作者側は本当に高い倫理観を持つことは大事です。




原 : テレビとは何かということを考えたときに、中学2年生の男女の調査でおよそ半数が必需品と答えている。テレビはある種の環境の一部となっている時代の中で子ども達は生きていると思います。子どもにとって世の中を、様々な番組を通じて、様々な角度から知るという教材になっているという点も非常にはっきりしている。テレビに過大な要求を押し付ける中で、娯楽機能まで敵視するのはよくないのではないかと感じます。


村尾 : テレビの制作者は小・中学校に赴いてテレビ番組やニュースのできる過程とかを語った方がいいと思います。制作者側と視聴者側、双方向でテレビを語るということを、これからはやっていく必要があるかと思います。

murao.jpgテレビ朝日報道情報センター長 村尾尚子さん



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橋下 : テレビというものはその情報を取得するその手段としては、これほど重要で有益なメディアはないと思います。何もそこで人格を形成したり思索を練ったりする場ではなく、あくまでも情報の窓口という意味に力点をおいて使うと、これほど有益なものはないと思います。


奈美 : テレビはやはり、瞬時に世界で何か起きているのかなどの情報を得られるので、使い方によってはこれほど素晴らしいものはないと思う。家庭では、なるべく息子と一緒にテレビを見るようにして会話が増えてきた。ですからテレビのおかげてここまで来ているので悪影響はあまりないと思います。




下村 : 今後デジタル化になっていくと、情報が双方向で流動が可能になってきます。テレビと上手につき合える方法としてこの点を上手く教育現場に利用していけばよいのではないでしょうか。


原 : 実は自由奔放主義も魅力的だと思うのです。純粋培養的に無菌状態で育った子どもは、社会に出てから社会に裏切られることが多いとよく言われます。テレビでいろんな良いことも悪いことも含めて、自由に見る。その中から自立していける価値観を作っていくというのも魅力なことだと感じます。


会場アンケート結果はこちら 「メディアリテラシーをご存知ですか?」ほか