信越放送(平成26年度)

『作り手によってこんなにも違う!』~「内山紙」をテーマに2作品を制作

2015年3月に北陸新幹線が延伸した長野県飯山市。県内有数の豪雪地に東小学校はあります。
地域に350年余にわたって伝わる手漉き和紙「内山紙」を題材に、5年生11人が2グループに分かれて、初めての映像作品作りに取り組みました。

 かつては農家の冬の副業として盛んだった紙漉きも、今は数軒にまで激減し、担い手の確保や利用の拡大が課題となっています。子どもたちは事前学習でこうした問題意識を持ち、作品のテーマ設定、取材先の選定、撮影、構成作り、編集に挑戦しました。

何もかもが初めての子どもたちに、放送局が普段やっているニュース作りと同じ作業をしてもらうことになり、当初は「作品ができるのだろうか」という不安がありました。

しかし、回を重ねるにつれ、「内山紙の魅力を紹介し、作る人、使う人を増やしたい」という子どもたちの熱意が形になっていき、手ごたえを感じることができました。

 

事前学習を含めて半年がかりで完成した2グループの作品。テーマも取材先も重なる部分がありましたが、一つは内山紙の特徴に、もう一つは担い手の減少に焦点を当てたものになり、お互いの作品を初めて見た子どもたちからは思わず「全然違う!」という、どよめきにも似た声があがりました。
同じテーマでも、作り手によって構成や切り口、全体の印象まで異なる場合があるということは映像・活字を問わず、メディアと接していくうえで忘れてはならないことです。あの「全然違う!」という驚きを、子どもたちが心の片隅に留めてくれることを願っています。