第35回民教協スペシャル 最優秀企画賞決定!

第35回民教協スペシャル

最優秀企画賞は「おひさま家族~りんくん一家の10年の記録~(仮)」(企画:静岡放送)に決定

 

「民教協スペシャル」は、公益財団法人 民間放送教育協会に加盟している全国のテレビ局の制作者が、年に一回、渾身の企画を提出し、厳正な審査を経て最優秀企画賞に選ばれた企画を放送するものです。1986年以来34回の放送を数え、これまでも数々の賞を受賞しています。

第35回の企画募集(2021年2月放送予定)では30企画の応募があり、映画監督の崔洋一さん、映像作家の森達也さん、ノンフィクション作家の星野博美さん、三名の審査員による厳しい企画審査が行われ、6作品が一次審査を通過しました。

その6作品について、5月20日、二次最終審査が行われました。担当ディレクターによる約8分のプレゼンVTR審査と、オンラインによる真剣な質疑応答の結果、静岡放送・阿部朋也さん、中村潔さんの「おひさま家族~りんくん一家の10年の記録~(仮)」が最優秀企画賞に選ばれました。

審査後の総評では、森達也さんから「作り手の強い信念が作品に滲み出る。映像の説得力はそこから生まれる」、星野博美さんからは「テーマに対する動機の強さと誠実さを忘れないでほしい」、崔洋一さんからは「ユーモアとガッツと骨太な精神を大切に!作り手の多様性を反映させてほしい」というコメントを頂きました。阿部さん、中村さんの企画は、家族一人一人の折り重なった物語を、丹念に追っている誠実さが評価され、この度、最優秀企画賞受賞となりました。

これから番組制作が始まります。放送は来年2月の予定です。

 

【最優秀企画賞受賞のことば】

静岡放送 報道制作局  中村潔

今回の企画は、平均で30歳までしか生きられないという重い病と向き合う“りんくん”という少年のお話です。静岡県富士市に住む清麟太郎君(16)は、色素性乾皮症という国内でも500人しかいない難病を患っています。この病は、紫外線を浴びると火傷のような症状が出て、やがて皮膚癌を発症するというものです。しかし、最も深刻なことは、年を重ねるにつれて神経障害が加わり、徐々に運動機能が失われ30代で死に至るということです。取材当初、6歳の彼は多弁で活発。日が沈むと広場で自転車に乗って遊び、祖父のアルバイトの新聞配達を手伝うのが大好きな少年でした。しかし、この10年で体はすっかり衰え、歩くことも話すことも難しくなり、耳も聞こえなくなりました。彼にとって「生きること」とは死に向かっての確実なスケジュールを辿ることでしかないのです。

10年の月日が流れ、寄り添い続けてきた家族のあり様も変わりつつあります。年老いた祖父母は面倒を見ることが難しくなり、大学生の兄・中学生の弟もそれぞれの生活ができ始めました。一日でも長く付き添ってあげたいと願う母、一方で他人に迷惑を掛けないよう、自分と同じ頃に天寿を全うして欲しいと心ひそかに思う父。

生まれた時から「生きる時間」を決められた人生を、“りんくん”と家族はどう歩んでいくのか。番組を通して「生きること」・「家族」とは何かを伝えたいです。