其の117  鳥取発 子ども自身が 考え 悩み 動ける 環境を にっぽん校庭芝生化大作戦!

2010年12月11日(土)(テレビ朝日OA)  日本海テレビジョン放送制作

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発見!人間力 其の13「だって気持ちいいんだもん~自分たちの力による校庭芝生化~」の続編。鳥取市にあるNPO法人が考案した、安価で維持管理の手間を省いた新しい芝生化「鳥取方式」実施か所は、前回放送時の「15都府県144か所」から「43都府県1305か所」へ拡大した。主人公のNPO法人代表ニールスミス氏(56)による「日本の子どもたちには芝生化が必要」との訴えが、なぜこれほどまでに『芝生文化』のない日本で浸透したのか?子どもや大人を取り巻く「社会環境の変化」を睨みつつ考えていく。「鳥取方式」最大の特徴は、行政依存ではなく、自分が出来る事を考え、実践する点にある。今回、「自分が通っている小学校の校庭を芝生にしたい」という夢を抱いた和歌山県の小学5年生をサブ主人公に据えた。彼の姿を通して、日本人が失いつつある『人間力』を誰もが内に秘めている事、私たちに出来る事は『無限にある』事に気づいてもらえるきっかけになれば嬉しい。


◆大人の背中を見て 地域の子は育つ

◆“子どもは遊んで育つ”

 



◇ディレクター:福浜 隆宏◇
取材先のひとつ同志社大学心理学部の鈴木直人教授によると、最近の大学生の傾向として、言われた事を「こなす」能力には長けている一方、自ら「考え、判断し、行動する」力が極めて乏しく、自ら決断しないため、必然的に行動に対する「責任感」が薄れていると指摘、最大の要因を「幼少期の遊びの変化」とした。「群れ」を作らなくなった事で、「群れ」の中で発生する衝突や工夫、調和、我慢、思いやり、決断力などを獲得する機会を失ってしまった。つまり、子ども自身に原因があるわけではなく社会環境の変化がもたらした弊害と言える。子どもたちが自然に「群れ」を作る「校庭芝生化」には、その弊害を緩和させる効果があると確信した。
そうした芝生化の効果を元に、NPO代表のニール・スミス氏は、「鳥取方式」誕生時のようなボランティア依存ではなく、社会インフラとして校庭芝生化を進めるよう近年提唱している。いち早く効率的に芝生化を普及する事を目標とするなら「行政主導」が近道であり、その面ではニール氏の考えに同調する。ただ「鳥取方式」は、「地域の自力を呼び覚ます」という効果も併せ持つ。「行政依存」が当たり前で自ら動こうとしなくなりつつある現代の日本人に、大きな波紋を呼び起こしている。その観点から見れば「行政主導」になると、せっかくの芽が消えてしまう恐れを危惧する。この両面を合わせもちながら今後「鳥取方式」がどういう歩みを見せるのか?非常に興味深い。
もちろん、これからも継続して追い続けたいと思う。なお、番組最後のスタッフロールに「企画」として、今年6月に急逝した弊社の馬場俊明前会長の名前を載せさせて頂いた。弊社が「鳥取方式」を追いかけ始めるきっかけを作ったのが他でもない前会長だった。2004年2月下旬の事。「おい、浜ちゃん(私のニックネーム)、鳥取の芝生は国立競技場並みにすごいらしいぞ。一度調べてみたら面白いかも知れないよ」と。早速、その日の内に鳥取県庁に飛んでいき、担当者の口から出てきた名前が「ニール・スミス氏」だった。以来、弊社では「校庭芝生化」をキャンペーン報道に位置づけ、年間6本ペースでローカルニュース特集での放送を続けてきたが、転機は2008年。「発見!人間力」其の13で「鳥取方式」を初めて全国に紹介する事になった。その番組制作に入る直前、前会長から「民教協にピッタリのテーマだ。全国に広まるよ」とエールをもらった事がまるで昨日の事のように思い出される。
ローカル局が全国発信できる枠は極めて少ない。弊社の「芝生化キャンぺーン報道」は、2008年度のギャラクシー賞・民放連盟賞を受賞したが、「発見!人間力」での全国放送がなければ間違いなく受賞はなかったであろうし、それ以上に「鳥取方式」の存在が、現在のように全国に知れ渡るまでには、まだかなりの時間を要していたかも知れない。その「発見!人間力」で再び全国発信できるありがたみとやりがいを胸に今回制作にあたった。馬場前会長の口ぐせだった「地方からでも日本は変えられる」というスピリットを肝に銘じながら・・・。

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