#84 世界遺産 五箇山の食と暮らし~後編~

2013年2月3日(日)(テレビ朝日 放送) 北日本放送制作  協力 文部科学省

世界遺産の五箇山には、長く厳しい冬を迎える直前に家族が揃ってその年1番の贅沢を楽しむ「ほんこさま」という風習があります。朱塗の御膳には、その年採れた中で最も出来の良い野菜や山菜をふんだんに使った伝統料理が並びます。日本最古の民謡「こきりこ」に代表されるように、様々な古来の文化が根付いている五箇山には、今では珍しくなった食の風習や文化も数多く残されています。シリーズ後編では、各家で2~30年に1回行われる茅の葺き替えの様子や四季折々の風景と共に、五箇山の食と暮らしをお伝えいたします。


◇ディレクター:中水 康之(北日本放送)◇
2回に分けてお伝えした今回の五箇山シリーズ。後編では、五箇山地方の人たちが今も一番の楽しみにしている風習「ほんこさま」を通して、この地の食と暮らしの文化を見つめました。
「ほんこさま」とは、浄土真宗を開いた親鸞聖人の遺徳を偲ぶ1年で最も大切な仏事「報恩講」を指す五箇山の方言です。家族や親戚が集まって皆でお参りをし、お坊さんの説教を聞いたあと、豪華な精進料理をいただきます。「報恩講」と聞くと、浄土真宗の本山や各お寺で行われる仏事…という印象をお持ちの方もいらっしゃると思いますが、五箇山では、今でもおよそ8割以上のお宅が、自宅で報恩講を催しています。「ほんこさま」で準備される精進料理は、1年に1度の最高のおもてなしでもあり、この日のためにその年に畑や山で採れた食材の中で最も出来の良いものを保存し、1年かけて御膳の料理を準備します。準備される料理は各家々で様々ですが、御膳の上に5~8品、御膳の横にオトシと呼ばれる料理が2~4品、他にも重箱や大皿に盛られたマワシモノと呼ばれる料理があり、オケソクやお茶請けを加えて10品以上を越えることも珍しくありません。料理の内容も御膳の器の配置、その設え全てが、先祖から代々受け継いできたものなのだと五箇山の皆さんが笑顔で話されていたことが印象に残っています。
今回の番組制作を通して、また、各家々のほんこさま御膳や家族団欒の様子を拝見させて頂きながら感じた、昔から伝わる風習や習慣が急速に失われていくこの時代に、忘れかけそうになっている日本人の心や故郷の味を皆さんに少しでもお伝えできればと考えています。

◆番組でご紹介した情報◆

■五箇山総合案内所
【電話】(0763)66-2468
【HP】 ホームページ

■世界遺産相倉合掌作り集落保存財団
【電話】(0763)66-2123
manabi83【HP】 ホームページ

■菅沼世界遺産保存組合
【電話】(0763)67-3008
【HP】 ホームページ

■国指定重要文化財・岩瀬家
【電話】 (0763)67-3338
【HP】 ホームページ

■喜平商店
【電話】 (0763)66-2234
【HP】 ホームページ

■合掌造りの食処・吾郎平
【電話】 (0763)67-3502
【HP】 ホームページ

■民宿・三五郎
【電話】 (0763)66-2709
【HP】 ホームページ

■豆腐・手打ちそば 拾遍舎
【電話】 (0763)66-2744

■合掌のお宿・庄七
【電話】 (0763)66-2206
【HP】 ホームページ

■民宿・勇助
【電話】 (0763)66-2555
【HP】ホームページ

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