高知放送(令和元年度)

高知放送(令和元年度)
【授業実施校・対象児童】香美市立片地小学校/5年生 12名
【実施期間】2019年6月25日~2020年1月24日
【実施回数】全10回

<学校選定の経緯>
香美市立片地小学校は、明治8年創立の歴史のある小学校。現在の児童数は60人足らずと少なくなっているものの、地元とのつながりが強く、地域と連携して積極的に様々な活動をしています。「テレビ番組作り」は初めてということでしたが、児童の成長につながるのではと、学校側から快諾をいただきました。

<授業内容>
「番組作りを通じて、メディアの特性を理解し、メディアを活用するプレゼンテーション能力を高める」ことを目標に、学校側と話合いを行いました。どちらかと言えば「引っ込み思案」な児童が多かった5年生に「自分で内容を考え、取材をする」という意識を持ってもらうこと。番組を制作するだけではなく、自分たちの力で何かを完成させる達成感を持ってもらうことを狙いました。
同校には、前の東京オリンピック(S.39)開催を記念して撮影された航空写真が飾られています。その写真は、全校生徒が校庭に「かたじ」の人文字を作っていました。それから約半世紀、再び東京でオリンピックが開催されます。そこで子どもたちは、再び自分たちの手で「人文字」の航空写真を撮影し、そこまでの過程を、自分たちで取材をする話題を選びました。

<実施を終えての感想>
【担任 李 由美先生】
番組が完成するまで紆余曲折ありましたが、完成したVTRを見て、5年生の子どもたちと共に喜びました。この活動を通して、プロの仕事を間近で見ることができ、多くのことを学びました。30分の番組を作るのに30分以上の時間をかけて番組が作られるということ、たくさんの人が関わり、チームで動いているということ、何よりも臨機応変に対応する力が必要だということが、改めてわかりました。自分たちでやりきったという経験が、今までにやったことがないことをしようというチャレンジ精神に結びついています。

【高知放送担当 田村 貴志】
「結構、大人しい子どもたちが多いですよ」-と校長先生はおっしゃっていましたが、担任の先生の上手な誘導もあってか、何を取材するか、そのためにはどうすれば良いのかを自分たちで考え、実行していく子どもたちでした。リポートに関しても「ここでは、このリポートをする」という内容がきちんと組み立てられており、自分たちがやらなければならない取材内容を丁寧に追っているという印象を受けました。その一方で、予定外の出来事に対しても、見ている人がもっとリアルに感じることができるという「見る側の視点」を考え、対応できたと思います。
「なぜ、この話題を取り上げるのか、どのようにしたら見ている人にわかりやすく伝えることができるのか」は、テレビに限らずメディアでは大切な感覚です。今回の番組づくりを通して、子どもたちが今後、「これはどのような意図で作られているのか」「自分ならどのような伝え方をするのか」という考えを日常生活の中で少しでも発揮してくれたらと思います。