其の28 クラシックが響く街へ~指揮者・飯森範親の挑戦~

2008年11月8日(土)(テレビ朝日OA) 山形放送制作

2004年、山形交響楽団にやってきた飯森範親さん(45歳)は、日本やヨーロッパ各地を舞台に活躍している若手のカリスマ指揮者です。もともと王侯貴族たちの趣味が起源といわれるオーケストラ芸術は、歴史が深いヨーロッパなどでは国や企業、個人による支援体制が整っていますが、歴史の浅い日本での理解はまだ発展途上です。飯森さんは山形交響楽団に「食と温泉の国のオーケストラ」と名づけ、山形の豊かな自然や食文化とともに、オーケストラの魅力を多くの人々の心にアピールしていこうとしています。楽団に対しては演奏会のプログラム選定から音作りに至るまで、細かく厳しい要求を出していくことでオーケストラとしての質を高めながら、演奏会では徹底的な聴衆へのサービスを行っていく積極的な試みによって、山形交響楽団に対する評価は確実に変わってきました。「クラシックが響く街を作りたい…」と思いを胸に走り続ける若き指揮者の人間力を探ります。


世界で活躍する指揮者・飯森範親さんは山形交響楽団の魅力をアピールするために様々な取り組みを展開しています。
◆アピールする努力をしないと 魅力は相手に伝わらない◆
山形の人は、自分たちのいいモノをもっと外に発信すべきだ…飯森さんは自ら動くことでアピールしていくことの大切さを実践しています。
◆ニーズを探るアンテナを張れ◆
「音楽家はサービス業」と飯森さんはいいます。ニーズを探るためのアンテナに敏感であることがこれからの音楽家には求められているといいます。
◆常に前向きな気持ちがあれば 周りもついてくる◆
「困難は次へのステップ…」飯森さんは、常に前向きな気持ちを持つことが将来の成功へとつながると信じています。
◆夢…クラシックが響く街◆
そんな彼の夢は「クラシックが響く街」が増えていくこと…クラシックの魅力を伝えるためにまた新たなアイデアを考えています。

◇ナビゲーター:金本美紀(山形放送アナウンサー)◇


◇ディレクター:山形放送 山内 正俊◇

「今度の山響の指揮者の人って、超カッコイイんだって…」
 

「なんか、追っかけもいるらしいよ…」

私が飯森さんのことを知ったきっかけは、ちまたで耳にしたこんな話…それで久々に演奏会を聴きに行ってみると、曲のクライマックスでは、タクトを振るたびにサラサラした髪が揺れ、指のリングがキラッと光る…噂は確かに本当でした。しかも演奏会前には舞台へ出てトークをしたり、終わった後もロビーでファンと交流会を開いたりと、山響もずいぶんと変わったなあという印象を受けました。もちろん飯森さんから発する「美的なオーラ」が楽団員にも乗り移ったかのように、演奏の質も素人の私が聴いても高いように感じたのも事実です。
飯森さんは、ドラマ「のだめカンタービレ」の中で指揮部分の演技指導をした方です。ご存知ない方のためにドラマのストーリーを少し紹介しますと、主人公である音大指揮科のイケメンエリート千秋が、才能を持ちながら埋もれたままになっている学生を集めた「Sオケ」をヒロインの「のだめ」とともに熱血指導し、エリート音大生集団の「Aオケ」と対決。そして聴衆から「Aオケ」を上回る喝采を浴びるといったサクセスストーリーです。「地方のオーケストラ」という余りありがたくないイメージがついて回っていた山響と飯森さんの関係が、ドラマの「Sオケ」と「千秋」と重なって見えるのは私だけではないと思います。ドラマ同様、山響の演奏会も聴衆のエモーショナルな部分に訴える素敵な演奏会ですから、一度会場に足を運んでいただき、ご自分の五感すべてで感じていただきたいなと思っています。 飯森さんは山響も含め年間100回くらいの演奏会を指揮しています。演奏会当日だけという訳にはいかないのでリハーサルを含めるとほとんど休みなしです。それなのに飯森さんを見ていると「いつの間に考えているんだろう?」と思うくらい、先々のプランニングが出来上がっていることに驚きました。状況に対応するレスポンスの速さとマーケティング力、おそらく飯森さんはビジネスの世界でもきっと成功する方だと思います。

番組ではお見せしていませんが、「トレーニングオタク」の飯森さんは、実は脱いでもスゴイんです。毎日の筋トレと走り込みで、体脂肪率はアスリート並みの1ケタですし、実際「腹筋の割れた指揮者」ってそういないと思います。ファンをうっとりさせる飯森さんの「指揮ぶり」は日ごろのトレーニングの賜物なのです。40を過ぎてからのトレーニングがとても大切なんだということを私も取材を通じて痛感しています。忙しい…と日常に流されてはいけません。ご覧になられたい方は、ぜひ演奏会へお越し下さい。(飯森さん、見せてくれないか?)

冗談はさておき、飯森さんが山響でやっているチャレンジは、「地方」と「都会」という垣根という意識がいかにちっぽけなものかということを私たちに教えてくれています。飯森さんと山響は一体これからどこまで行くのか?山形県民の1人としてこれからも演奏会をワクワクしながら見つめていきたいと思います。

 

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