其の67 そして きょうも うたを歌う

2009年10月17日(土)(テレビ朝日OA) 秋田放送制作

秋田県仙北市出身のテノール歌手、本田武久さん(38歳)。高校教師の職を投げ打ち、苦労の末にプロ歌手の夢を掴みました。活動が軌道に乗りかけた矢先、病が本田さんを襲います。「包巣状軟部肉腫」。がんの一種ですが、まだ有効な治療法がない病気です。がんは歌手の命、肺にまで転移していました。しかし本田さんはこれまで以上に積極的なコンサート活動を始めます。過酷な運命を受け入れ、大好きな歌を歌い続ける道を選んだ本田さん。生きることの素晴らしさを伝えるのびやかな歌声は、重い病気と闘う人だけでなく、たくさんの人の心に響いています。コンサートに足を運ぶそんな人々の姿が、本田さん自身を支えています。確実に進む病状。死の恐怖。様々な葛藤を乗り越えながら「生」を歌い続ける本田さんの思いに迫ります。



◇ディレクター:宮川拓実◇
本田さんは日本酒が大好きです。「お酒を飲んでいるときが一番幸せ」とまで言います。私も日本酒が大好きです。取材の時は、お土産に持っていった秋田のお酒を一緒に酌み交わしました。本田さんは松田聖子も大好きです。お酒が入るとその魅力を、中森明菜との違いを熱く語ってくれました。クラッシックに限らず「うた」が「歌うことが」本当に好きなのです。酒豪の本田さんも、今は歌のためにお酒を控えています。また一緒に楽しいお酒を飲める日を楽しみに、これからも本田さんの「うた」を追いかけようと思っています。



治療法のない癌と向き合いながら歌い続ける本田さん「怖くないですか?」そう聞いた時に、少し考えてから答えてくれたのが、「今できることを精一杯やっているから怖くない」という言葉でした。
◆今できることを精一杯◆
「今を大切に」という言葉はよく耳にしますが、この時ほど、この意味が胸に詰まってきたことはありませんでした。本田さんにとって、今できることとは、もちろん歌うことです。
少しずつ病状が進む中で、今、目の前にいる人たちのために精一杯うたを届ける本田さんの姿はこの言葉が持つ本当の意味と重さに気づかせてくれました。
本田さんは、今日も生きる喜びを歌います。

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