#81 鰤の島...戸島 ~愛媛県宇和島市 ブリ食堂奮闘記~

2015年2月8日(日)(テレビ朝日放送) 南海放送制作  協力 文部科学省

shokukikou81-1.jpg生まれも”島”、育ちも”島”!経営ノウハウもなければ、接客経験もない!そして、交通手段はいつも”漁船”!そんな島の母ちゃんたちが営む食堂が、愛媛県宇和島市にある。食材はただ1つ、それは自分たちの島で育てた自慢の魚、重さ4キロを越える出世魚”ブリ”!特大の刺身に、炙りブリ、ブリ大根、ブリのフライ…ブリ尽くし、心尽くしの定食で店内は連日大賑わい!しかし、この食堂には島で暮らす母ちゃんたちの”決意”が込められていた。

shokukikou81-5.jpg 30年以上にわたり、魚類養殖の生産”全国No.1″に君臨し続ける水産王国・愛媛県。その愛媛県に”ブリ養殖”で知られる小さな島がある。宇和島市沖に浮かぶ”戸島”だ。島民同士で支え合い、好漁場・宇和海で育まれる”ブリ”は、締まった身と極めの細かい脂が絶品!”ブリ”は、古くから戸島の暮らしを支えてきた”島の宝”なのだ。

shokukikou81-2.jpgしかし平成13年、島に激震が!消費の低迷に伴い、全国的にブリの魚価が大暴落。その後10年以上、ブリの低迷期が続く。その間、戸島でも10軒以上の生産者が相次いで廃業。『このまま島で待っていても事態は変わらない。島が衰退していくだけ!』『子供たちに島を、故郷を残すために何とかしなければ!』島を守るために立ち上がったのが、島の母ちゃんたちだった。

『ひとりでも多くの人に戸島ブリを食べてもらい、その良さを知ってもらい、島の元気を取り戻す力にしたい!』島の生き残りを賭け、海を渡り、慣れない店の切り盛りに奮闘する島の母ちゃんたち。その闘いの場は、わずか8坪の「ブリ食堂」。人口わずか358人、小さな島のど根性に密着した。

編集後記

ディレクター:宮岡 幸治(南海放送)

客がジャンジャン押し寄せる!素人集団の“島の母ちゃん達”はテンテコマイ!
わずか8坪の「ブリ食堂」は、戦場そのもの!さすがにこの状況を見兼ねて、
私(ディレカメでした)も撮影そっちのけで皿洗いの助太刀…何てことも!
(良いシーンの撮りこぼしも発生しましたが)。
ずっしり真ん丸、4キロ超えの“豪快ブリ”も絶品ですが、「ちょっと撮影、
後回しにしてお皿、お皿!!」と笑顔で言い放つ天真爛漫の全力母ちゃん達に
惹かれた取材でした。

母ちゃん達は、1時間15分かけて自宅のある「島」から「食堂」に通っています。
過疎と高齢化に加え、魚価の暴落と廃業。水産現場は問題山積です。しかも“離島”。それでも母ちゃん達はへこたれず、ブリをPRするために漁船に乗り、海を渡り、
食堂へ向かい、ブリを料理します。母ちゃん達にとって当たり前の日常が、
私にとっては驚きの連続でした。
番組では割愛しましたが、母ちゃん達の中には「無給」で働いている方もいます。
“島を守りたい”その一心が原動力なのです。

今回の舞台は、小さな島と小さな食堂。
しかし、自分たちの島で育てた“ブリ”に胸を張り、
生まれ育った島が大好きな母ちゃん達から大きなパワーを頂きました。

番組情報

◆「鰤料理 とじま亭」
【営業】11:00~14:00
17:00~22:00(ラストオーダー 21:00)
【休み】毎週水曜 *期間営業のため、「3月末まで」の営業予定です。
【住所】愛媛県宇和島市恵美須町2-2-8
【電話】090-9556-1040

ご意見・ご感想

皆さまからのご意見・ご感想をお待ちしております。
お寄せいただいたコメントにはすべて目を通しておりますが、必ずしも掲載されるものではございませんのでご了承ください。
なお、企画提案、商品宣伝、イベント告知等に関する投稿は固くお断り申し上げます。

※ 記入欄に、お住まい(都道府県)もご記入いただければ幸いです(任意)