山口放送(平成29年度)

【授業実施校・対象児童】山口市立大海小学校 5年生
【実施期間】平成29年 11月~12月
【実施回数】4回

実施計画および狙い

 今回の対象校は、山口市立大海小学校。校長先生と弊社メディアリテラシープロジェクトチームメンバーとの間に以前からつながりがあったことや学校の規模などを考慮し選定しました。

 授業の内容は、校歌のミュージックビデオを子どもたち自らが作るワークショップを提案しました。映像制作の体験になることのみならず、校歌を見つめ直すことで、学校の歴史や地域について理解を深めることができるのではないかと考えました。3番まである校歌を6ブロックに分け、6班(1班4名)で分担して映像制作を行うことに決まりました。
 校長先生から、PTA副会長であり5年生の保護者でもある男性が趣味で郷土史を研究していて大変詳しい、という情報をいただきました。男性に特別授業を依頼することを申し合わせ、後日、担任の先生より依頼。ボランティアでの参加に快諾を頂きました。

まとめ

授業の狙いは大きく2つありました。映像制作を体験してもらうこと、そして、校歌を紐解くことで学校の歴史や地域を見つめ直してもらうこと。学校や地域のことが歌われている校歌を紐解ければ、ふるさとを見つめ直すきっかけになることはある程度私たちも予想できていましたが、今回、そこに、郷土史に詳しいPTA副会長・福田さんの特別授業が加わることで、想像以上の深みが生まれました。福田さんは、地元の地理、歴史に詳しいだけでなく、さらに偶然にも自らの母校である・大海小学校の校歌を紐解く研究もされていました。今は亡き校歌の作詞者の子孫をわざわざ訪ねたこともあるという行動派。今回の私たちのプロジェクトにとって、大変頼もしい協力者となってくださり、特別授業においては、1人でも多くの子どもたちに郷土を愛してほしい、という熱い思いもにじみ出ていました。

 もうひとつ、副産物ともいえるのが、親子でのコミュニケーションが生まれたことです。今回、絵コンテ作成を2日間にわけて行いましたが、1回目の授業後に、多くの子どもたちが家庭で授業のことを保護者に話し歌詞の意味などを話し合ったことが、授業後の保護者アンケートから明らかになりました。この授業が、子供たちと保護者をつなげるささやかなきっかけになれたのかもしれません。また、結果的に、保護者の皆さんにも、校歌や地域のことを見つめ直してもらう良いきっかけを提供できたのではないかと思います。

 映像制作に関しては、子どもたちの大半から「難しかった」「大変だということがわかった」という意見が出ましたが、「次は他の曲でやってみたい」、「地域のプロモーションビデオを作ってみたい」というコメントもあり、興味や関心を深めてもらえたものと感じています。