長崎放送(令和2年度)

【活動名】平和文学朗読キャラバン
【実施期間】2020年7月~8月
【実施回数】41回

<事業実施の成果・課題>

平和文学朗読キャラバン16年目の今年は、長崎・佐賀県内の41団体(小学校・中学校・盲学校1・図書館1)へDVDを貸与し、約6500人の児童生徒に平和文学を朗読しました。去年までの実績は、115団体・16,962人です。
新型コロナの影響で新たなスタイル(DVD)での朗読・視聴となりましたが、参加いただいた先生方からは「被爆者の方は年々高齢化し、8月9日に来校してもらうことが減った。こういう機会は、子どもたちに平和教育を行うのに、大変ありがたい。」という声を多数いただきました。
映像素材で平和への思いは伝わるのか、という不安もありましたが、アナウンサーの朗読に併せて即興で旋律を奏でるピアニスト重松壮一郎氏のサポートもあり、子どもたちは各教室で集中力を切らすことなく見入ってくれました。企画の応募状況や、子どもたちの反応、ラジオ・テレビ番組に届くメッセージなどから、当キャラバンの「地域への浸透」や「期待と責務」も実感しています。
[ 課 題 ]
今年はDVDを制作して配布するという新たなスタイルとなり、応募の状況を不安視しておりましたが、例年同様の応募数となりました。
朗読は、実際に子どもたちを訪ね、生で行うのが一番だと考える一方で、皮肉にもDVD視聴という形にすることで、数多くのご要望に応えることができました。「来年もDVDで!」という声もあり、来年の新型コロナウイルスの状況がどう変わっているのか、どのような形で伝えることが理想的なのか、模索していきます。

<担当者の感想>

被爆から75年経ち、長崎・広島では、語り部(被爆者)の高齢化が進んでいます。今年はさらに新型コロナの影響で、子どもたちが被爆者の「生の声」を聞く機会がほぼなくなりました。
こうした状況下で、被爆地の放送局のアナウンサーの私たちにできることは何なのか。改めて自問自答する機会にもなりました。
体育館等での集会が禁じられるなか、学校を訪問して、一カ所に子どもたちを集めて、直接、読み聞かせができないのならば、今年は実施を諦めるしかないのではないか、という部内の声もありましたが、DVDでの配布・3密を避けた視聴という形をとることで活動を継続することができました。
いかなる困難な状況でも、子どもたちに「平和の尊さ」を伝える活動は絶やしたくない。この思いを改めて胸に刻んだ一年でした。

<参加者の感想>

【小学生】
・わたしは平和の学習をして、家族をうしなう悲しみや戦争のおそろしさ、なくなっていく人の苦しさを知りました。もし今も日本が戦争をしていたら、わたしはとてもこわくて悲しいです。きょうこさんはまだ小さいのに、泣くのを我慢してすごいと思いました。わたしはめのまえで、もし家族や友達がなくなったら、きっと泣いてしまいます。それに家族がみつからないのも悲しいです。小さなけんかでも戦争のような大きなけんかになるので、けんかはしてはいけないと思いました。
・命はなによりも大切なものだから、戦争や争いはぜったいにしてはいけないと思いました。大切な家族や友達、人をうしなってしまったら、悲しいから、戦争、原子ばくだんをしない、つくらないようにしたいと思いました。みんなが幸せに生きるためには、みんな仲良くしたら戦争はおこらないし、平和にくらせると思います。これからは、戦争をしないでくらしたいです。

【中学生】
・吉田さんの体験をまとめた「私たちが伝える被爆体験」では、中学生の方が2年にわたって制作されたと聞き、たくさんの人に平和の大切さを伝えようとしていることを感じられたし、自分は何ができるか、どう伝えるべきかを考えなければいけないと思いました。永井博士による「この子を残して」では、我が子を抱きしめたくても抱きしめることができない父、あまえたくてもあまえてはいけないと知っている子どもたち。その父子の思いを感じたとき、胸が苦しくなりました。改めて戦争はとてもにくく、悲しいものだと感じました。戦争を体験された多くの方は、次の世代に語りつぎ、同じことがくり返されないように生きてこられました。次は私たちがその思いを次に伝えていく必要があると考えます。
・私は吉田勝二さんを元につくられた「私たちが伝えるひばく体験」という絵本に、とてもつらく感じました。戦争で顔や体に大きなやけどを負った勝二さんたちは、きず口に葉をつけ、水も飲めなかったと書いていた部分に、戦争の痛々しさにとても心がつらくなりました。しかも戦争が終わっても、顔のひふで差別というところには、私は少しはらが立ってしまいました。私は、戦争でこういしょうなどを負ってしまった人だからこそ、優しく差別なくせっするべきだと思いました。そして私は、母の言動にとても感動しました。いくらつらくても「さんぽに行きなさい」と力強くあきらめず言った母に、とてもすごいなと思いました。私は戦争を体験してないし、亡くなった人の気持ちも分からないですが、これからの平和学習で平和の事を知り、これからの世代に伝えていきたいと思います。私は桜馬場中学校の人たちにとても感謝しています。吉田さんも亡くなられているけれど、最後の最後まで戦争のつらさ、痛み、こわさをがんばって伝えてくれた吉田さんにも感謝しています。