IBC岩手放送(令和3年度)

【活動名】ともの朗読会
【実施期間】令和3年10月17日(日)、29日(金)
【実施回数】会場2回

<事業実施の成果・課題>

児童養護施設では、事情があって家族と生活できない子どもたちと、生活を共にする職員に朗読を届けた。コロナ禍で休日の交流イベントが減り、地域の人たちや幼稚園・学校と施設の職員以外との触れあいが少なくなる中、祖父母世代・親世代のアナウンサーが声がけをしながら読み聞かせをすることで家庭的な雰囲気を子どもたちに提供することも心掛けた。体調管理やこまめな消毒、フェイスシールドの着用などコロナ対策を講じながら、職員と事前に相談し、「アイスクリーム」が登場するお話の後には実際にアイスを提供。抱っこやおんぶを求めてくる子どもたちに、アナウンサーが対応して抱きしめる等、お話の読み聞かせと共に、子どもたちや職員と楽しいひと時や安心感を共有できた。本を選定する際に、家族(「おかあさん」など)の文言が出てくるものは排除したり、違う言葉に言い換えたりするなど配慮した。

 子育て世代活動支援センターでは、0歳から5歳までの子どもたちとその母親、祖母が来場した。事前予約制にした為、参加年齢に幅があることを把握できており、選書はそれぞれの年代が楽しめる本や、幅広い年代が楽しめる本をと心掛けた。子どもたちに飽きる様子は見られなかったが、やはり年齢はもう少し限定した方が良かったかもしれない(1歳~3歳など)。また、家に子どもと2人きりになる時間が多い母親のリフレッシュ時間を提供することや、家での読み聞かせに活かせてもらえるようにと、子どもだけでなく親にも声がけをしながら読み聞かせを行った。子どもの泣き声が上がったり、動きたがる子どももいたりしたが、事前に「静かにしなくてよい」「途中に出入りOK」と伝えていたので、私たちも気にせず進行した。

<事業担当者およびアナウンサー(講師・読み手)の感想>

児童養護施設では、子どもたちの心に寄り添い、笑顔の時間を提供することができ、アナウンサー一同充実感を得ることができた。『社会との関わりを子どもたちにも届けたい』とボランティアを受け入れている職員の皆さんにも喜んでいただけたので、「読み聞かせ」という機会を通して、今後も子どもたちの成長に関わっていきたいと感じた。幅広い世代のアナウンサーが参加したので、若手アナウンサーは朗読指導を受けたり、先輩の読みを聞くことができたりして、スキルアップにつなげることができた。また、子どもたちの反応なども学び、今後の取材に役立てることができそうだ。

子育て世代活動支援センターでは、はじめ「0歳の赤ちゃんに読み聞かせ…どうしよう…」と悩んだが、母親とのふれあい要素を含んだ絵本を選ぶことで、楽しい時間を提供できたと感じた。絵本の登場人物を、様々なアナウンサーが声色を変えて読むことで喜んでもらえたと思う。

<教諭・保育士・子どもたち・視聴者などの感想>

【みちのく・みどり学園】
子どもたちがちゃんと聞くか心配していたが、夢中になって聞いていた。プロのアナウンサーの朗読を聞いて、職員も勉強になった。週末は施設の中で職員と過ごすことが多く、楽しいひと時を提供してもらえて大変ありがたかった。

【どんぐりっこ】
秋が深まる中に暖かい陽だまりのような時間でした。0歳~5歳まで、みんなが楽しめる絵本選びをしていただき、いつも聞いている側に寄り添われていることに胸を打たれました。親子への優しさが詰まった読み聞かせをありがとうございました。

【どんぐりっこ参加の母親】
子どもがこんなにのめり込んで聞いていたのは初めてだった。声の違いが楽しかった。体の動きもあり飽きずに聞けた。まだ早いと思っていたが、家でも本を読んであげたいと思った。など