山口放送(令和3年度)

【活動名】KRYアナウンサーによるオンライン読み聞かせ
【《会場・オンラインでの》実施期間】令和3年12月10日(金)
【《会場・オンラインでの》実施回数】オンライン1回

<事業実施の成果・課題>

昨年も実施したオンラインの読み聞かせに、好評だった社内見学を合わせて今年も実施しました。
当初は1校単位で実施するつもりでしたが、柳井市教育委員会の担当者の方のアイデアで、同市の小学校全校をつないで一斉開催することになりました。山口県もITを活用した教育の可能性について模索しており、お互いトライアルの精神で臨みました。実施のタイミングも5年生の総合学習でメディアについて学ぶ時期に合わせて設定しました。実施方法は既に前年4校で実施した実績があり、あとは10校全校をつなぎ、いかに回線トラブル等を回避できるかが課題でしたか、社内のデジタルコンテンツ部の協力も得て、事前に10校全校を同時につなぐテストも実施し、インターネットライブ配信用の活用して、混乱なく進めるよう準備しました。前半に社内見学、後半はテレビスタジオに移動しそこで読み聞かせを行いました。
社内見学では、屋外で社の全景をみてもらい、続いてマスター前に移動し、技術部員によるマスター設備と役割説明の後、報道スタジオに移動し、報道部長がスタジオ設備の機能、ニュースの作り方や、放送上重視している点について解説しました。続いてテレビスタジオの副調整室の案内に続き、テレビスタジオに移動し、クレーンカメラ等について紹介しました。一通り社内見学を終え絵本を一冊読み聞かせました。子どもを亡くした母羊の親子の思い出をふりかえるストーリーで、命の大切さを考えてもらいたいという思いで選びました。
課題は1コマ45分の中に、社内見学と読み聞かせをいかにおさめるかで、特に児童からの質問を10校全校から受けるために時間配分をどうするかに苦心しました。担当アナウンサーは生中継のリポート経験が豊富で、スムースに進行できましたが、小さなトラブルで時間オーバーする恐れもあり、2コマで実施した方がよかったように思いました。
読み聞かせは時間制約のため一冊しか読むことができず、もう1~2冊読めればよかったと思います。

<事業担当者およびアナウンサー(講師・読み手)の感想>

(事業担当者)

昨年のオンライン開催で手ごたえをつかんでいましたので、今年も同じ形式で臨もうとしたところ、10校一斉開催のアイデアをいただき、「読み聞かせ」を通じて一度に市内の児童がつながる機会は一体感を醸成するという意味でも意義のある試みだと思い実施に向け各部署を調整を行いました。特に45分社内見学から読み聞かせまでノンストップで進行する河野アナウンサーには負担がかかったと思いますが、時間の制約があることで結果的に緊張感のあるよい授業ができたと思います。
後日各校から感想をいただき、追加の質問もありましたので河野アナウンサーがビデオメッセージ風に動画を撮影し、全校で共有してもらいました。

(アナウンサー)

小学校10校、合わせて397人の児童がリモートで参加した、社内見学と絵本の読み聞かせでした。コロナ禍だから「できない」ではなくて、新たな可能性を感じる取り組みとなりました。リモートだからこそ、普段立ち入ることのできないスタジオや、放送では映されない裏側の様子、そこで働いている人々の様子をお見せすることが出来たように思います。
大人数の対面での絵本の読み聞かせでは、挿絵を見せるということが難しく課題でしたが、リモートのためカメラで撮影した挿絵を大型モニターで見せることが可能となり、子どもたちもストレスなく物語の世界に入れたようです。後日、子どもたちから届いた感想では、放送局に興味を持つようになった、リモートの読み聞かせのライブ感が良かったという感想があり嬉しく思いました。

<教諭・保育士・子どもたち・視聴者などの感想>

(教諭)

・コロナ禍で社会見学を実施することの難しさを感じていたので、今回の遠隔オンラインによる「読み聞かせ」と「局内見学」は、本当に貴重な機会となりました。ありがとうございました。
・河野アナウンサーの読み聞かせは、子どもたちがどんどん絵本の世界に引き込まれてい行くのがわかりました。話が進むにつれて、段々と前のめりに耳を傾ける子どもたちの様子に、プロの凄さを感じました。正確に読むことはもちろんですが、声の抑揚や置き方で作り出される空気間の違いを体感しました。
・今回は柳井市内合同実施でした。他校から出された質問の中には、本校児童にはなかった視点のものもあり、合同実施のおもしろさを感じました。また、複数の場所の様子を同時に知ることができるという情報技術のよさを実感することもできました。
・「コロナ禍だからできない」ではなく「コロナ禍だからこそどうするか」という取組であり、今後もぜひ続けてほしい事業であると思います。
・子どもたちは、普段見ているテレビの裏側を知ることで、テレビ局に興味をもち、どのように番組が作られているのか、その中で、どのような工夫をされているのか考えるきっかけになりました。まだ学習進度上「情報化した社会と産業の発展」は未履修ですが、子どもたちは、次の単元が楽しみだと言っておりました。
・アナウンサーの方の「くものうえのハリー」の読み聞かせは、大変感動的な時間でした。子どもたちも聞き入っていました。私はお話の途中で、涙がこぼれそうになりました。オンラインでこれほど感動的な時間が過ごせるのですから、実際に会場で生のお声を聞けたら、どんなに素晴らしいひとときになるだろうかと感じました。
・一昨年までは社会見学でマツダの自動車工場と放送局の見学をしていましたが、昨年、今年とできなくて残念でした。ニュース番組ができるまでを調べる学習が教科書とインターネットだけで実感のわかない学習になってしまいがちでしたが、今年は自分のこととして学習に取り組むことができました。特にニュースで大切なこと、カメラのこと、アナウンサーが工夫されていることが児童には印象に残ったようでほとんどの児童が感想に書いていました。今、ニュースの学習をしてるのですが、オンライン見学のことを思い出しながら学習しています。ありがとうございました。

(児童)

・KRYのニュース番組の作り方や、放送の工夫、番組のうら側などを知ってからテレビのニュースの見方が変わりました。
・ぼくが一番心に残っているのは本の読み聞かせをしていただいたことです。本を選んだ理由を先生から聞いてその本にこめられた思いを知ることができました。何冊もある中から一つ選んでもらったことがうれしかったです。これから生きることに感謝したいです。
・河野さんが読み聞かせをしてくださった「くものうえのハリー」という本では、ふたりの思いやりや大切な思い出などがあり、なみだが出そうになりました。これからもまたKRYを見て思い出したいと思います。
・河野アナウンサーの読み方、表現方法が上手だったので、「くものうえのハリー」の場面がイメージしやすかった。感情が入っているとこちらも感情が動いているのが分かった。もう一度自分で読んでみたいです。
・ニュースに必要なものがあって、速報性・意外性・正確性・普遍性という4つで、私は速報性と正確性は知っていたけど、意外性と普遍性は知らなくてびっくりしました。楽しかったです。