#120 小さな店の大きな役割  ~国頭村奥共同店~

2018年1月20日(土)(テレビ朝日 放送) 沖縄テレビ制作  協力 文部科学省/独立行政法人 中小企業基盤整備機構

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沖縄本島最北部に位置する国頭村。
奥という地域に1906年、沖縄で最初に誕生した共同売店「奥共同店」がある。食べ物や生活雑貨など、日常の暮らしに必要な物が大体揃うこの店には、「共同売店」とはどのような形態の店なのか?なぜ、1世紀以上も続いているのか?
山と海に囲まれたこの地はかつて、農業や林業で栄えていた。しかし交通の便が悪かったため、ここに住む人たちはみんなで出資して店を設け、商品を仕入れて販売するという仕組みを作り上げた。

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地域の人たちが皆、株主となっている奥共同店には、大きな特徴がある。それは、「ツケ」で支払いができること。農業や林業は、まとまったお金が入るのが不定期だったので、この地域では「信頼関係に基づく売買の形」が定着した。無利子でお金も貸している。勿論、それは現金収入の見込みのない人にのみ。責任者である売店主任はしっかり帳簿も管理している。

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この地に住む若者は車を持っていても、お年寄りは車を運転できない。自家菜園はあっても、生鮮・加工食品を手に入れるためには店で買い物をしなければならない。人々の暮らしを、食卓を支える奥共同店。だからこそ、この店を存続させなければならない。そのために店の責任者である売店主任は日々、売り上げとにらめっこをしながら地道な努力を続けている。
奥共同店で繰り広げられる日常には、人と人との支え合いが見えてくる。

編集後記

ディレクター:本橋 亜希子(沖縄テレビ)

奥共同店の取材を始めるまで、「共同店」の意味合いをイメージ程度にしか認識していなかった・・・高齢の方が店番をしていて、利用者は地元の高齢者がほとんど、ほのぼのとした雰囲気の商店、そんな程度。

しかし、奥共同店は少し違った。

撮影が夏だったこともあるだろうが、ドライブ客が多く、地域の子供たちが予想以上に多い。店員も3人いて、老若男女が行き交い活気があるではないか!

沖縄本島や離島には70店舗ほどの共同売店がある。中には現在、閉店中のところもあるが、それぞれに特徴があって、地域の人たちになくてはならない店舗である。

共同店に行けば、当たり前と思っていたことが当たり前でなかったことを知る。その後ジワリと伝わってくる懐かしさやありがたさ・・・。
この番組をご覧になった皆さんも、沖縄のどこかで共同店を見かけたら、買い物をしてみて下さい。何かを感じるかもしれません。

番組情報

◆奥共同店
【電 話】0980(41)8101

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