其の31 仏壇 ニューヨークへ

2008年11月29日(土)(テレビ朝日OA) メ~テレ制作

日本の伝統工芸である仏壇。中国製品の台頭、仏壇生産数の激減、後継者不足などから、日本各地の仏壇産地は衰退の一途をたどっています。信仰心の厚い愛知県の三河で、300年以上の伝統を誇る三河仏壇もまた同じです。そんな窮状をなんとかしたいと、若手職人が立ち上がりました。『アートマン・ジャパン』の誕生です。彼らは、本業の伝統仏壇製作の傍ら、その技術を用いた新商品を作っています。そんな彼らに、初の海外出品、それもアートの本場ニューヨークでの個展の話が舞い込みます。久しぶりの大型新作に向けて、初心にかえるアートマン。数々の思いがけない困難が彼らを待ち受けていましたが、ふだん直面している仏壇業界の危機に比べれば、それらは山でもなんでもなく、彼らは軽々とその困難を乗り越えていきます。その活動を通して、改めて伝統仏壇、そして職人をとりまく現状について考え、悩む彼らの姿を描きます。

ここは 都築仏壇店の地下にある 都築さんのアトリエです。都築さんは、このアトリエからアートマンの活動を通して三河仏壇に光を当ててきました。
◆いつかは役に立つと信じて◆
三河仏壇の伝統技術を用いて ちょっと変わった仏壇を作るアートマンは今年結成5年目を迎えます。
◆300年の伝統を終わらせはしない◆
たったひとりでその活動を始めた都築さんを支えたのはこの伝統を自分たちの代で終わらせたくない という強い想いでした。
◆何かをせずにはいられなかった◆
衰退していく現場を ただ眺めていることができずとにかく活動するうちに 理解者が少しずつ現れ今では心強いメンバーに支えられています。今回のニューヨークでの個展は彼らにとって ひとつの希望になりました。
◆夢…職人仲間と仏壇を作り続けること◆
そんな都築さんの夢はささやかです。未来も、変わらず職人仲間と仏壇を作り続けること、それだけです
◇ナビゲーター:山ノ内聡子(名古屋テレビアディレクター)◇


◇ディレクター:名古屋テレビ 山ノ内聡子◇
元々地元のアートイベントなのでは常連になりつつあった都築さんたちアートマンですが、取材中のこの半年の活動はすさまじく、華やかな場に登場する回数もどんどん増えていきました。けれども、そんな時に彼らの口から出たのは『僕たちはアーティストじゃなくて仏壇職人だから』そのひと言に、彼らが活動する意味が込められていると思います。実は廃業の危機を経験したり、夢半ばにして辞めていく仲間をただ見送るしかなかったり、将来への不安を感じていたり・・・。彼らを突き動かすのは、ただ、仏壇を作り続けたい、という想いだけです。待ち受ける未来は決して明るくはありませんが、普段はそんなことを感じさせないほどに楽しそうです。その明るさが、彼らの強さであり人間力だと思いました。
ちょうどニューヨークから戻って1ヶ月がたった頃、久しぶりに都築さんを訪ねると、もう春のビッグプロジェクトが動き始めていました。その前向きさ、力強さには本当に脱帽です。まだまだ、彼らの活動からは目が離せません。

 

仏壇クリエーターズ アートマン・ジャパン 代表・組立師 都築数明
つづき仏壇店 愛知県額田郡幸田町大草瓶割15-1
TEL:0564-62-6111
宮殿師 平林祐二
平林佛壇店 愛知県豊田市畝部東町馬場西24-1
TEL:0565-21-9650

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