其の75  帰ってきた日本ミツバチ~ある養蜂家の挑戦~

2009年12月12日(土)(テレビ朝日OA)  IBC岩手放送制作


東京銀座のビルの屋上で、養蜂の指導を続けているのが盛岡市の養蜂家、藤原誠太さん。彼の養蜂指導がきっかけとなり、銀座に自然を取り戻そうとする『銀座ミツバチプロジェクト』がスタート。ハチミツを採取するだけでなく、ミツバチにとって住みよい環境を作るために、都心のビル街に花や緑を増やす取り組みを行っている。学生時代、養蜂の留学で南米から帰国した誠太さんは、日本古来のミツバチ、『日本ミツバチ』の魅力に取り付かれ、日本在来種ミツバチの会を立ち上げた。以来、長年の研究の末、養蜂には難しいとされてきた、日本ミツバチの専用縦型巣箱を開発した。日本の風土や気候に合っている日本ミツバチの重要性を説き、養蜂普及に努める。最近、世界的な問題になっているミツバチの大量死は、主に西洋ミツバチ。原因は特定されていないが、農薬が原因ではないかと指摘する。世界のミツバチを救うためにも、農薬が引き起こす生態系破壊について、蜂の目線で訴えようとする。



◇ディレクター:小野寺久穂◇
はずかしながら、日本在来種『日本ミツバチ』の存在を知ったのは、今回の取材が初めてだった。ミツバチが失踪している事件が相次いでいても、特段、気にも留めなかった。しかし、藤原さんに出会い、事態は一変した。野原で蜜の出そうな花を探し、庭先で弱っている蜂に餌(ハチミツ)を与え、もうすぐ巣箱まで購入してしまいそうだ。ミツバチの巣からこぼれた蜜は、ほんのりと甘く、温かった。ミツバチが小さな羽根を一生懸命動かして、温めてくれたおかげだ。やがて、蜜が人間の手に渡るかどうかはお構いなしに、わずか40日という一生を、黙々と働いている。その姿勢は、健気でとても美しい。どうも、ありがとう。お礼に私たちになにかできることがあるとすれば、蜂たちが安心して暮らせる、花や樹木に囲まれた美しい自然、いや当たり前の自然を、少しでも早く取り戻すことだ、と感じたのである。

藤原養蜂場 盛岡市若園町3-10 TEL:019-624-3001

特定非営利活動法人 銀座ミツバチプロジェクト
東京都中央区銀座1-20-15前田山陽ビル10階 TEL:03-6277-8000

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