其の96  北海道発 “人生の凄腕”女弁護士

2010年7月17日(土)(テレビ朝日OA)  北海道放送制作

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司法試験に挑戦すること、実に23回。還暦を過ぎて弁護士になった札幌の神山昌子(かみやままさこ)さん、66歳。弁護士になって5年目に入った。神山さんは相談者の訴えにカウンセラーのように耳を傾ける。時には、大声を上げて笑いあうこともある。「相談者を笑わせるのが私の目標。深刻ぶっても問題は解決しないから」。相談内容も、離婚にセクハラ、最果ての離島で続く土地争い…と幅が広い。広大な北海道を隅々まで飛び回る。そんな神山さんのもとに、ある日、難しい依頼が飛び込んできた。「他の弁護士は誰も取り合ってくれなかった」と依頼者は涙ながらに訴える。それは、とても裁判で勝てるとは思えない難しい内容だった。しかし神山さんは、迷った末に引き受けることにした。「勝っても負けても裁判をしなければ、この人の人生は前に進んでいかない」。これから厳しい闘いに挑んでいく。ある夜、神山弁護士は、取材スタッフに44年前の自分の写真を見せてくれた。それは、神山さんの、実に意外な、人生の一幕だった。

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■気軽に相談できる、国と日弁連の法律事務所についての情報
①法テラス
国の司法改革により2006年から全国各地に開設。
神山昌子弁護士も「法テラス」一期生として、2006年「法テラス旭川」に着任し、弁護士活動をスタートさせた。

②ひまわり基金法律事務所
日本弁護士連合会(日弁連)による、一地域に弁護士がいない、もしくは一人の、いわゆる「ゼロワン地域」解消のために取り組んだ基金制度。法律過疎地だった地方に、弁護士事務所が増えている。

■神山先生からの法律ワンポインアドバイス■
1.DV(ドメスティック・バイオレンス)の被害に会っている方へ・・・
DVの夫は暴力の事実を認めないケースが大半です。もし裁判になった場合、裁判所は「証拠、証拠」と求めてきます。医者の診断書が無理でも、携帯カメラでケガした場所を撮影して保存しておくとか、日記でもメモでも何でもいいので、記録を残しておきましょう。

2.遺産相続をめぐる問題・・・
番組の岩本さんのように文書の内容を知らずにハンコを押してしまったケースは、意外と多いのです。相続については、まず被相続人が、きちんとした遺言状を残しておくことが第一です。遺言状があれば岩本さんのような事態にはなりませんでした。それと何事にも、ハンコを押すのはくれぐれも慎重に。



◆依頼者を笑わせるのも 弁護士の仕事

◆深刻にしてたって 物事は解決しない

◆人生は舞台 人は皆 役者



◇ディレクター:河野 啓◇
夢を語る人は星の数ほどいます。でも、夢を持ち続けられる人は決して多くはありません。「下りのエスカレーターを上るようなもの」と神山昌子さん(66歳)自身が語る、30代から還暦前まで、計23回にわたる司法試験への挑戦。それは生半可な気持ちでできることではありません。しかし、神山さんは、「毎年試験に落ちると落ち込んだけど、自分が苦労したとは思っていない」と話します。「人生は舞台、人は皆役者」というシェークスピア「マクベス」の台詞が、神山さんの好きな言葉です。パートで働きながら弁護士を目指す女性…それが、人生という舞台で自分に与えられた役ならば、最後まで懸命に演じるのみ…神山さんはそう思っていたそうです。深刻ぶらない、大変ぶらない、偉ぶらない…笑顔が素敵な66歳に、私は取材中、恋をし続けていた気さえします。

◆お問合せ先など◆
神山昌子弁護士 (66歳) アルファ総合法律事務所
【住所】札幌市中央区大通西15丁目
【電話番号】011-826-5644 電話については法律相談のみ対応
先生の法律事務所ホームページ

 

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