#1 永平寺に学ぶ~食の作法 前編

2011年4月17日(日)(テレビ朝日OA) 福井放送制作                                 協力 文部科学省


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北陸福井。山深い地に立つ大本山永平寺。今から760年前の1244年、道元禅師によって開かれた修行道場です。道元は「食」を重要な修行ととらえ、食事を作ること、食べることを真剣に行うことが仏道を求める心だと説きました。全国からやってきた修行僧はおよそ200人。道元の教えを忠実に実践し、日々、厳しい修行に励んでいます。食の作法は命を見つめなおす形であり、人の中に思いやりや愛情を育む心である。食の崩壊が叫ばれて久しい今、永平寺に学ぶ前後編のスペシャル企画です。

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前編は、永平寺の食を司る役職の僧「典座」の役割と心得、食を通した厳しい修行を追います。食のすべてを任されている三好良久典座(てんぞ)(63歳)。道元の記した「典座教訓」の教え通りに、日々の食事作りは三好典座(てんぞ)を中心に、修行僧が行います。何より大事にしているのは「喜心・老心・大心」の3つの心。「喜びの心・親が子を守る心・大きく、偏りのない心」で、食事作りに励み、心身を磨くのです。さらに、「米一粒も無駄にしてはいけない」という道元の教えを実践する永平寺の台所。命ある食材を心を込めて扱います。前編では、普段は入ることができない神聖な修行道場を取材、760年の歴史に裏打ちされた食の心について学びます。さらに、三好典座が作る大根の葉から皮まで使ったおいしい精進料理、家庭で真似できる食材を無駄にしない知恵を伝えます。

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◇ディレクター:岩本千尋(福井放送)◇
普段、「食育」という言葉を何気なく使っていますが、私自身はこれまで、食について真剣に考えることはなかったように思います。永平寺では、食事を作ることも食べることも大事な修行で、食事は命と向き合う時間とされています。これは、修行とは程遠い世界に生きている私の心にもまっすぐに響いてきました。「食事=命をいただく」という、大切なこと。日本の未来を作っていく子どもたちに、しっかり伝えていかなければならないと感じています。さて、番組で取材させていただいた永平寺典座(てんぞ) ・三好良久(みよし りょうきゅう)さん伝授の大根を使った精進料理の数々。さっそく作ってみたところ、とても美味しいと家族にも好評でした。ぜひお試しください!

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◆食事は命をいただき 命と向き合う時間◆

◆食を大切に思えば 人の社会は良くなる◆

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 ~ 大 根 を 使 っ た 精 進 料 理 レ シ ピ ~

■揚げ出し大根■
【材料】大根、一味、こしょう、醤油
1・大根は皮をむき5センチほどの長さに切って、さらに縦に4つに切り、中央の角を落とす。
2・170℃の油でゆっくり揚げる。竹串が刺せるくらいの硬さになったら鍋からあげる。
3・揚げたての大根に大根おろしをのせ、コショウや一味をお好みで。醤油をかけていただく。

■大根おろしまんじゅう■
【材料】大根、白玉粉、たれ(酒、醤油、みりん)
1・大根はすりおろして軽く水分を切る。
2・白玉粉を1:1の割合で大根おろしに入れ、よく混ぜ合わす。耳たぶくらいの硬さに。
3・一口大に形を整えたら両面を焼く。たれをからめていただく。

■大根の葉の炒め物■
【材料】大根の葉、すりごま、薄口醤油、酒、だし汁
1・葉はゆでて、葉の軸のほうを使う。細かく刻む。
2・ごま油で炒める。
3・薄口醤油、酒、だし汁を加え、水気が飛ぶまで火にかける。
4・水気が飛んだらすりごまを入れ、混ぜる。

■大根の葉と揚げの煮物■
【材料】大根の葉、薄揚げ、塩、酒、だし汁
1・鍋にごま油を入れ、大根の葉、醤油少々、酒。
さらに出し汁を葉がかぶるくらいまで入れる。
2・揚げを加えて混ぜ、煮汁が半分になるまで煮詰める。

■みかんのおろしあえ■
【材料】大根、みかん、砂糖、みりん、酢、塩
1・みかんは皮をむき、種を取る。
2・大根おろしであえ、砂糖、みりん、酢、塩で味付けする。

■大根の皮の塩もみ■
【材料】大根の皮、塩水、ごま油
1・大根の皮を塩水につけ、もんで水を切り、ごま油を少々落としていただく。

◆番組でご紹介した情報◆

■曹洞宗大本山永平寺 福井県永平寺町志比
【電話・FAX】0776-63-3102(総受処)

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