#5 神様のごはん ~伊勢参りは食参り~

2011年5月15日(日)(テレビ朝日放送) メ~テレ制作                                 協力 文部科学省

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日本の神社の中の神社「伊勢神宮」。最近の「パワースポット」ブームでも屈指の人気を誇っています。2010年には明治以降最高の年間882万人の参拝客を記録しました。
そんな賑やかな神宮にあって1500年以上前から1日も休むことなく続くお祭りがあります。

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毎日朝夕二回厳かにおこなわれている、神様にお食事(神饌-しんせん)をお供えするための儀式「日別朝夕大御饌祭(ひごとあさゆうのおおみけさい)」です。神様の食事は、ご飯が3盛り、お塩、お水、鰹節、鯛、海草、野菜、果物、お酒3献。基本的には神宮で田や畑をもち自給してお供えしています。つまり、1500年以上神へ捧げる作物や海産物を伊勢は供給してきたのです。食に関するこだわりは並大抵のことではありません。神様のご飯への伊勢の人々の気持ちを探ります。

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一方、庶民の伊勢の食事は伊勢独自のうどん、「伊勢うどん」。
初めて見る人はびっくりの極太ぶよぶよ麺に真っ黒の濃いしょうゆタレを絡めていただく「伊勢うどん」。
人も文化も物流も華やかであった伊勢において一見シンプルなこのうどんにも秘められた成り立ちがありました。それは東海道で伊勢へ向かう人々がショートカットで使った「海の道」でやってきたのです。
伊勢うどんの秘密、そして伊勢志摩の海産物と神さまとの関係を番組で厳かに紹介・説明し、自然からいただく恵みに感謝することを伝えます。


◇ディレクター:恒川 靖弘(メ~テレ)◇
今回、何度も伊勢神宮を訪れ、お参りし、いろいろな方々と話をしました。普段、神様をそれほど信じない私も「ここには何かあるのだろう」という気にさせてくれる神々しさ、スゴさがそこにはあります。現在の正殿は、おそらく2000年前もあの姿、中は見られませんが間取りもおそらく一緒なのでしょう。世界の2000年前の文明は、どこも既に廃墟しか残っていません。神宮の建物自体は20年ごとに建て直し(後述)ていますが、そのシステムが2000年間も継続して残っているのです。それは、そこで奉仕する人たちが毎日、真摯な気持ちで神様と向き合い、それを絶やさぬようにしてきたからに違いありません。
毎日神様に食事をお供えする日別朝夕大御饌祭(ひごとあさゆうおおみけさい)も、1500年の時間を超え、教えを私たちに伝えてくれています。
「自給自足」、「地産地消」、「作り手の顔が見える安心、安全な食材」など、神様は教訓めいたことは言いません。しかしその行為自体がその教えとなって響いてくるのは、さすが神様というべきか、私たちの食生活が乱れているからなのか…
2013年には、20年に一度の大きなお祭り式年遷宮(内宮、外宮などの正殿を新築し、神座を遷す)が行われます。そのときは伊勢の町がいつにもましてにぎやかになるということですので、ぜひその際も、伊勢の神様にご挨拶に行きたいと思っています。(仕事抜きで)
また、伊勢うどんや、志摩の魚を使ったてこね寿司をはじめ、料理の数々もたいへんおいしかったです。せっかく作っていただいたのにVTRに入れられなかった料理が沢山あります。
どれも絶品でしたので、これを読んだ皆さんは、現地で神様の愛した海の恵みを味わってみてください。

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◆食べ物を作る苦労と喜びを知る◆

◆海の恵みで生きていけるのは神様のおかげ◆

◆感謝の気持ちをいつも忘れない◆

◆豊かな実りのために永遠の祈りを◆

 

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