#46 いのちをいただく 善光寺宿坊で精進を極める

2012年4月29日(日)(テレビ朝日 放送) 信越放送制作                            協力 文部科学省

阿弥陀如来と縁を結べば極楽往生できる。庶民の寺として、全国から参拝者の絶えない信州善光寺。日の出とともに行われる法要、お朝事はすべての人々に開かれています。
お数珠を頂くために参道にひざまずく人々の姿は、善光寺信仰の象徴です。
そんな善光寺の門前に立ち並ぶ39の宿坊は、お寺であると同時に旅館の役割を持っています。そして、それぞれの宿坊には独自の宿坊料理があります。

兄部坊(このこんぼう)では、代々伝わる精進料理で客をもてなしています。注目は善光寺で年に一回だけ食される『法飯』というご飯が食べられること。善光寺の正月行事と結びついた『法飯』をアレンジしたものです。一見したところお茶漬けのようにも見える、いわば「汁かけごはん」。が、その味は誰もが一口啜って感嘆の声をあげるほどの究極の一品。その秘密は五種類の薬味と、だし汁にあります。

また、精進料理のコースには『無量寿』という名前が付けられています。仏教の言葉で『無限のいのち』を意味します。精進料理は、肉や魚を使わず野菜や海草、穀類などを使った料理です。肉や魚を使わないということは、殺生をしないということですが、野菜といえどもいのちがあります。その「いのち」に感謝しながら食する、それが精進料理の心だと奥さんの若麻績妙子さんは話します。ともすれば「精進料理はまずい!」と思われがちですが、今、食生活が見直されている中で、若い人たちにも受け入れられています。

精進料理の食材のほとんどは、身近にあるものです。身近な食材をどこまで高められるかは「知恵」と惜しまない「手間」。取材の結果、一般の家庭でも案外簡単にできる献立があることを発見。人気の「うなぎ湯葉」、「芋なます」、そして夜にお茶が飲めない人におすすめの「こげ湯」。これが香ばしくておいしいことこの上なし。精進料理の奥深さを伝えると共に、お得な情報も満載です。食材の扱いや調理に込められた「いのち」への慈しみ、そのひとつひとつを丁寧に描き、精進料理の世界へ誘います。


◇ディレクター:野沢 喜代(信越放送)◇

善光寺さんの39の宿坊はお寺ですが旅館と同じ。予約すれば誰でも泊まれ、食事だけでもOKです。おすすめは一泊して、日の出の時刻に行われる「お朝事」に出ること。まずは参道で頭にお数珠を頂き、本堂で南無阿弥陀仏を唱えれば、気分は爽快。
加えて、宿坊で頂く精進料理は、野菜や穀類、海草を食材としているので、ヘルシーそのもの。最近は若い人にも人気があるようです。
宿坊の精進料理を取材して感じたことは、身近な食材を使っているので、家庭でも応用できる献立が案外多いこと。しかし手間と時間をかけ、おいしいものをさらにおいしく、という気持ちがなければできません。すぐ手に入るファーストフードの対極です。
昔から日本人が毎日食べて来たのは、野菜の煮物とか酢の物とか、和え物とか、そんな料理だったと思います。善光寺宿坊で供されているのは、そんな日本人の原点の食事ですが、それは感覚的に、体に良いもののように感じました。
身近な素材をおいしくと、工夫を重ねて高め、代々女性たちが受け継いでいる善光寺宿坊の精進料理は、おもてなしの心がこもる料理でした。
番組でご紹介した兄部坊の「無量寿」は6,300円。2,100円のお手頃なコースもあります。料理の内容は各宿坊ごとに違いますので、事前に調べて行く事をおすすめします。

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◆~未来へのメッセージ~
どんなに大変な状況にあっても
極楽を願う心を忘れずに 未来につなげていく◆

◆いのちをいただく すべて頂き切る◆

◆感謝の心は どんな時にも必要◆

◆番組でご紹介した情報◆

■兄部坊
(善光寺の宿坊 精進料理「無量寿」の提供)
【HP】兄部坊ホームページ

■善光寺
【HP】善光寺ホームページ

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