#2 世界に一つだけの糸 ~ 古い機械で生み出す世界品質~

2015年4月26日(日)(テレビ朝日放送) 山形放送制作  協力 文部科学省/独立行政法人 中小企業基盤整備機構

chikara2-1.jpg人口約4万人の小さな街、山形県・寒河江市に世界品質のもの作りを続けている会社がある。原料の調達から糸作り、それを使ったニット製品までを手がける佐藤繊維だ。会社を率いるのは金髪がトレードマークの四代目、佐藤正樹社長(48)。この社長が東北の小さな町工場を世界の企業に変え、世界のファッションの常識を変えてきた。
 

2009年、米オバマ大統領の就任式。chikara2-4.jpgそこにオバマ大統領のミシェル夫人がニットのカーディガンを着て現われた。当時、世界のファッション界は騒然となったと言う。ニットをフォーマルな場で着るのはふさわしくないとされていたからだ。

ミシェル夫人のカーディガンに使われていたのは佐藤繊維が開発した極細のモヘア糸。これまでの常識を打ち破る細いモヘア糸が「普段着」としてのニットに優雅さと気品を与え「特別な装い」としての新たなニットを生み出したのだ。

chikara2-2.jpg 値段の安い海外製品が押し寄せ、苦しい経営が迫られている日本の繊維業界。佐藤社長は独自のもの作りをすることで、生き残りを図ろうと考えた。その答えが世界に一つだけの糸。半世紀以上前の古い機械に手を加えて様々なオリジナルの糸を開発し、その糸で編んだニット製品を作り続けている。

 
世界品質を追求するもの作りの現場に密着する。

編集後記

ディレクター:大津幸典(東北映音)

自称「誰にも負けない糸マニア」。金髪がトレードマークの佐藤正樹社長は、糸の原料探しや展示会への参加など、常に世界中を飛び回っています。会社に戻ってくれば、次々と開かれる会議や来客への対応など、まさに分刻みのスケジュール、全く休む暇がありません。今年に入ってから数日しか休日をとっていないと言います。世界に通用するものづくり。それは並大抵の情熱では出来ないのだと、取材を通して強く感じました。「本当にいいものを作ろうという気持ちがないと、絶対にいいものは作れない」。この考えを貫き、社員に対して身を持って示すことで、小さな町工場が世界の企業へと生まれ変わったのだと思います。佐藤社長のスケジュールの合間を縫ってのあわただしい取材となり、タイムリミットぎりぎりまで編集作業が続くという結果になってしまいましたが、熱血社長の「思い」を少しでも感じ取っていただけたら幸いです。

番組情報

◆佐藤繊維 広報
 【電話】03-6805-0382

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