東日本大震災から5年がたった。
当時発生した大津波は地域の博物館や図書館などにも甚大な被害をもたらした。
日本最大の隕石が落下した記載がある古文書「吉田家文書」は、岩手県の陸前高田市に保管されていたが、すべて海水に浸り、泥とヘドロまみれになっていた。残留する塩分はカビを呼び腐食を進展させる。塩をぬく必要があったが、専門家の間でも海水をかぶった文化財の修復は未経験の領域であった。
地域の宝物ともいえる文化財を取り戻す試みが始まった。
編集後記
ディレクター:角掛 勝志 (IBC岩手放送)
今回の舞台は「奇跡の一本松」で有名になった岩手県陸前高田市です。津波で被災した文化財を修復して後世に伝えようという方々を取材しました。
そもそも文化財の業界では海水汚染をうけることは想定しておらず、技術的に全くの未知の世界であったそうです。今回はその一端をご紹介しました。
また学術的な重要性が低くても、ふるさとの歴史やこころに深く結びついた品々があることが地域の支えになる。文化財の修復が持つ大事な意味を教えていただきました。
震災から5年たちましたが、未修復の資料は残り
3分の2。関係者は1点残さず、すべて修復すると決意を新たにしています。
番組情報
◆岩手県立博物館
【電 話】019-661-2831(代表)
※被災文化財修復の様子は一般公開されています。