編集後記
ディレクター:井上 真喜(琉球放送)
映画好きを周囲に公言しているうちに映画の裏方の仕事をするようになったという、主人公の宮島真一さん。スタッフの苦労を身をもって知っているからこそ、出来上がった作品をたくさんの人に届けたいと思うようになりました。「映画は人に見てもらって初めて完成する」という信念のもと、シアタードーナツが完成。番組でも紹介しましたが、地域の人たちに寄り添う映画館としてさまざまな活動を行っています。
私が宮島さんと初めて出会ったのは、シアタードーナツで上映された「ライファーズ」という映画を見に行った時でした。アメリカの受刑者たちの更生をテーマにした作品で、上映後に監督のトークショーが行われたのですが、ゲストとして沖縄少年院の院長さんが招かれていました。作品の内容に即したゲストをブッキングすることで、トークショーの内容がぐっと地域の問題に引き寄せられ、街の問題を話し合う場になっていったことに大変感銘を受けました。映画のチカラを膨らませることで、地域社会を考える場が生まれた瞬間でした。
「映画が好き」というシンプルな気持ちが、やがてたくさんの人との出会いを呼び、それが更に展開して「地域について皆で考える場」を生んだところが一番面白いと感じています。
「何をするにしても、入口は『好き』で良いのだ!」そんな風に感じさせてくれた宮島さんに感謝です。