
2017年11月に新潟市古町にオープンした古民家イタリアン「アルモニア」。オーナーの真保元成シェフの活動テーマは、新潟”食”実験レストラン。お店で使う野菜は全てオーガニックで生産農家から直接仕入れている。実験レストランでは「顔の見える食材」を使った料理で生産者と消費者をつなぎ、新潟の食の魅力を広めている。さまざまな場所で行われるユニークな食の実験。そして、「美食の街」をめざして奮闘するシェフの活動を紹介。
~食の実験レストラン その1~

新潟駅の食文化発信拠点施設「キロメートル0ニイガタラボ」は、新潟県内のシェフが日替わりでキッチンに立ち、新潟の食文化を発信するユニークな飲食スペース。4月、真保シェフは開口一番「今日は肉も魚も出てきません」と宣言。なんと持参した珍しい野菜だけで料理を4皿作り上げる。食材の生産農家も参加、調理の間に食材の特徴やこだわりなどをお客さんに説明した。参加者は、初めて見る野菜の味や普段聞けない農家さんの話に感動。この生産者と消費者の繋がりこそ、真保シェフの食実験の特
徴なのだ。
~食の実験レストラン その2~

新潟の美しい風景とともに食事ができるレストランバス。7月、真保シェフによるスペシャル便が運行。なんと乗客はすべて新潟県内の料理人でバスの行先では多くの生産農家が待ち構えている。料理は生産農家が育てた野菜を使ったサラダとグリーンカレー。「顔の見える食材」を使った料理により、乗客の料理人と生産農家の会話が弾んだ。真保シェフは今回の食実験で「農家と直接つながることの大切さ」を1人でも多くのシェフに伝えたかったのだ。
~食の実験レストラン その3~
この夏、キャンピングカーをキッチンカーに改造。新潟の食材を積んで県外のイベントに参加して新潟の食の魅力を全国の人に知ってもらいたいと目を輝かせる。
編集後記
ディレクター:吉井一善(新潟放送)
新潟のおいしいものは?「コシヒカリ、日本酒、・・・」そのあとが思い浮かばないという方が多いようですが、実は他にもたくさんあるんです。食実験レストランの真保シェフは、そんなおいしい食材と生産者にスポットを当て料理を作ります。真保シェフの料理には、生産者と食材の物語(ストーリー)があります。お客さんは物語を聞きながら味わう料理に感動します。生産者も自分の生産物がおいしい料理になるのを間近で見られてうれしそうです。実験レストランでは参加者全員ワクワクするんです。
生産者と料理人、そして消費者が繋がる…その動きは、新潟で広がっています。レストランバスや新潟駅の「キロメートルゼロニイガタラボ」は入口で、その先にはディープな新潟の食の体験が待っています。新潟が美食の街になってしまう前に体験して、話題を先取りしてみてはいかがでしょうか?