#198 おいでよ!つくる邸 ~坂暮らしのレシピ~

2019年11月23日(土)(テレビ朝日 放送) 長崎放送制作 協力/文部科学省 総務省 中小機構 JAグループ


階段の上り下りが大変!暮らしづらいというイメージで人口流出・高齢化が進む長崎の斜面住宅地。そこに築70年の古い空き家を再生して暮らす若者たちがいます。斜面地・空き家活用団体「つくる」のメンバーです。代表は大分県出身の岩本諭さん(28)。長崎大学在学中に斜面地を研究対象にしたことがきっかけで坂の町に魅力を感じ、自らそこで生活する道を選びました。


彼らの拠点、シェアハウス兼コミュニティスペース「つくる邸」からは、長崎港を一望する絶景が広がります。この眺めの良さが斜面地の一番の魅力―、そう岩本さんは語ります。自治会、青年会の活動に積極的に加わることで地域住民との信頼関係も生まれ、最近ではご近所さんが気軽に立ち寄ってくれたり、差し入れを持ってきてくれたりするようになりました。


“坂の町で暮らす楽しみ”を自分と同じ若い世代の人たちに知ってもらうため、メンバーは、暮らしの中で感じたことや撮った写真をSNSで発信。「つくる邸」を1日開放し自由に過ごしてもらうオープンデーを開催したり、地域の人たちと一緒に流しそうめんや七草粥など四季折々の行事を楽しんだりもしています。
「つくる」は新たな空き家活用にも取り組んでいます。自分たちでリノベーションに取り組み、2018年には2軒目の「ざくろの家」が国産茶専門店としてオープン。続けて3軒目、4軒目と地域住民から「つくるに活用を任せたい」という依頼が舞い込んでいます。


岩本さんの仕事はフリーランスのコミュニティデザイナー。「町づくりをデザインする」仕事です。しかし、これがなかなか難しい…。町づくりを仕事にすることと、ボランティアに近い「つくる」の活動とのはざまで、岩本さんは新たな課題に直面しています。

「暮らしを楽しむ」をモットーとする彼らの活動と、思いをお伝えします。

編集後記

ディレクター:城代 奈美(長崎放送)

私が初めて「長崎の坂」をテーマに取材をしたのは2002年のことです。カメラマンとひたすら階段や坂を歩いて上り下りし、本当に大変な思いをしました。それにも関わらず、斜面地からの港の眺めや路地に建ち並ぶ家々の景色、そこに住む人々の温かさに、私は坂の魅力にとりつかれました。だから岩本さんたち「つくる」の若者たちが、自らそこに暮らし、その魅力を発信しようとする取り組みに心から共感し、取材を始めました。

今、長崎市は人口減少という難題に直面しています。若者たちの多くは県外に就職し、故郷を離れていきます。「つくる」のメンバーが言うように、自分が住む町の魅力を再発見・再認識することは、人口流出を食い止めるための一助になるのではないかと感じています。

番組情報

◆斜面地・空き家活用団体つくる
【H P】https://www.tsukurutei.com/

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