#200 おらほのワイン醸造中! ~信州で農業に挑む若者たち~

2019年12月7日(土)(テレビ朝日 放送) 信越放送制作 協力/文部科学省 総務省 中小機構 JAグループ

長野県の東部、千曲川に面した上田市と東御市。日照時間の長い気候と水はけがよい土壌のため農業が盛んだ。都会からの交通の便も良く、昨今の農業従事者の減少問題においても、新規就農が活発な地域でもある。

そこで開催されたイベントでは、老若男女があるモノに夢中になっていた。来場者の目当てはワインだ。冷涼な土地、晴れが多いことからワイン用ブドウの栽培も盛んで、ワインの産地にしようと取り組んでいる地域なのだ。そこにワインを作りたくて移住してきた二人の若者がいた。一人は客としてワインを真剣な表情で味わう前澤隆行さん(37)。もう一人は提供する側としてワインを販売している田口航さん(36)だ。


前澤さんは神奈川から移住し、今年初めてワイン用ブドウの収穫を迎えている。「ワインがどのように楽しまれているかを知りたい」と世界各地を旅してきた。帰国後、自分でワインを作りたいと決心し2015年に東御市にやってきた。田口さんは大学卒業後、商社に勤務したが栽培から自分で手掛けられるワインに魅力を感じ、上田市に移住した。
二人には多くの共通点がある。県外からやってきた移住者であり、地元の団体が行っている研修制度を利用した新規就農の同期生であり、『自分らしいワイン(おらほのワイン)を作るためワイナリーを持つ』という夢まで同じだ。


田口さんは2019年、自身で初めて作ったワインの発売にこぎつけた。お客さんに味わってもらうリリースイベントも行い、上々の手応え。一歩ずつ夢に近づいているようだ。

一方、前澤さんはズッキーニ畑にいた。まだワイン用ブドウの収穫に至っておらず、他の農作物の栽培で生計を立てていた。前澤さんはソムリエの資格を持つ妻と、1歳の子どもとの3人暮らし。

自然相手の農業に不安を抱きながらもワイン一本で生活してくことを目指している。
ところが、不安は的中する。雨によって一部の木に病気が出てしまったのだ。さらに収穫を控えた9月、タヌキやハクビシンなどにブドウの実を食べられてしまう被害にあってしまう。
いよいよ、収穫の日。前澤さんの畑には手伝いで多くの仲間がやってきた。その中には田口さんの姿もあった。度重なる試練に見舞われた前澤さんのブドウ畑。果たして初収穫の結果は…

自分らしいワインを作りたくて、知らない土地、知らない農業の世界に飛び込んだ二人の若者の姿を追う。

編集後記

ディレクター:依田 倫博(信越放送)

長野県の東部に位置する上田市と東御市が今回の舞台です。主人公は、新規就農で移住してきた二人の若者。仕事を辞めて天気とにらめっこの農業に就き、見ず知らずの土地で生活する…。家族を養うことを考えると、とても勇気があるなぁと思いながら取材に入りました。でも、その決断は夢の実現に向けての本気度の表れでもありました。二人の夢は自分のワイナリーを持つこと。原材料の栽培から始まり、醸造・販売と、最初から最後まで自分の手を掛けるワインは、自分らしさを表現できる飲み物です。前澤さんも田口さんも首尾一貫していて全くブレません。

広いブドウ畑では一人黙々と作業する様子は孤独にも映りますが、取材を進めていくと多くの繋がりが見えてきました。
定期的に行っているテイスティング勉強会のシーンがあります。楽しい飲み会の雰囲気で始まりますが、ワインを飲むと空気は一変します。同じ夢、同じ境遇の仲間と強く繋がっている様子は、うらやましい気持ちになりました。

また、移住することは「この地で生きていく」ということです。昨今、公民館役員や消防団など敬遠する人もいて、存続が危ぶまれる地域の活動を耳にすることも多い中、積極的に参加して地域と繋がっていました。この繋がりもあり、サブタイトルに「おらほ(自分たち)」という方言を用いました。

二人のワインは、仕事・地域・生き方も一緒に醸造した、まさに「おらほのワイン」です。長野県では「おらほのワイン」の作り手がこれからも増えていきそうです。作り手のことを思い浮かべながら飲んでみるのもワインの楽しみ方かもしれません。

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