#430 がんサバイバーの私ができること ~笑いましょう!ひとりじゃないよ~

2025年06月21日(土) 05:20~05:50 (テレビ朝日 放送) 山形放送制作 協力/文部科学省 総務省 中小機構 JAグループ

山形市の住宅街にある美容室。オーナーの佐藤千草さん(52)は、がん患者むけの美容サポートを行っています。相談は主に、抗がん剤治療の副作用による脱毛の悩み。ウィッグの選定からメンテナンス、そして治療後は、育毛のサポートを行っています。

千草さん自身もがんと闘うひとり。2019年46歳の時「乳がん」の診断を受けました。 店で一番目立つところに3冊のアルバムが置いてあります。『私の体のどこまで「ガン」があるのか。それが怖かった』『娘・息子にどうやって教えようか…』 1年以上に及ぶ闘病の記録が写真の文章でつづられています。その中で、抗がん剤治療が一番苦しかったと振り返る千草さん。髪の毛が抜け落ちていく自分の姿に落胆する日々…。特に美容に関する悩みは相談する相手がいませんでした。がんと闘い始めて1年後の2020年、千草さんは自分の闘病体験が役に立てばと美容サポートを開始。この5年間で相談者は400人を超えました。また、一緒に活動したいと美容師仲間が名乗り出るなど、支援の輪が広がっています。

千草さんの目標は、がん治療を続ける人たちの居場所をつくること。ことし5月、山形市の居酒屋で千草さんのサポートを受ける女性たちが集まり、交流会が開かれました。暮らしで不便なこと・体調の変化・再発の不安…「悩みを打ち明けると解決策が見つかるのでは」と定期的に行っている企画です。

「病気のときこそ笑いましょう」と励ましながらサポートする千草さん。「自分らしく生きる」とは…? 活動の日々を追いかけました。

編集後記

ディレクター:奥山 剛(山形放送)

山形県には「薬剤性脱毛サポート美容師」の認定制度があり、現在約80店舗の美容室でがん患者むけの美容サポートを行っています。佐藤千草さんはこの活動のリーダー的存在です。
今回の取材を通して一番印象に残ったこと。それは利用者を励ます千草さんの笑顔です。「病気には笑いが一番。笑いましょう!」美容室はいつも笑いにあふれています。「がんとの闘いは孤独。体や心の悩みを打ち明けられる居場所をつくりたい」との活動は、千草さんが乳がんを患い、闘病生活で生じた苦悩が反映されています。

「がんサバイバー」は幾年までとの決まりがなく、何年経っても再発の不安を脳裏に抱えながらの暮らしが続いていきます。「がんと闘う方たちが、前を向いて生きていけるよう」佐藤千草さんをはじめサポートを行う美容師の方々へエールを送り、支援の輪が広がっていくことを期待しています。

番組情報

店名「Prism(プリズム)」
【住所】〒990-2481山形県山形市あかねケ丘3丁目1−5
【電話】023-645-1206
HP】 https://prism-ap.jp

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