#435 イヌワシよ ふたたび ~南三陸の森から~

2025年07月26日(土) 05:20~05:50 (テレビ朝日 放送) 東北放送制作 協力/文部科学省 総務省 中小機構 JAグループ

宮城県南三陸町。町の約8割が森林で、雨水や雪解け水は森から海へ。豊かな漁場が広がり、名産のタコ、ギンザケ、ウニ、ホヤなど、さまざまな海産物が水揚げされる地域です。今回の主人公は、持続可能な森林管理を行い、良い森林土壌を育くむことを大切にしている、林業家・佐藤太一(たいいち)さん(40)。

南三陸は、古くから良質な杉の産地として知られ、仙台藩主・伊達政宗も、高く評価したといわれています。太一さんは町と協力し、世界基準の森づくりにも取り組んでおり、適切に管理された森林にのみ与えられる「FSC認証」を2015年、県内で初めて取得。南三陸杉のブランド化にも力を入れています。

太一さんが、今情熱を注いでいる試みが…。国の天然記念物「ニホンイヌワシ」を呼び戻そうというプロジェクト。地域の最高峰、翁倉山(おきなくらやま)は戦後、日本で初めてイヌワシが巣で暮らす姿が確認された、いわばイヌワシの聖地。しかし今、その姿はありません。「ニホンイヌワシ」は絶滅が危惧されており、推定生息数は、およそ500羽。さらに減少が続いているといいます。イヌワシは、生態系ピラミッドの頂点。イヌワシが帰ってくるということは、そこで暮らす生き物の多様性を守り、豊かにするということでもあります。

「イヌワシとも、生態系とも共存できるような山づくりをここでは実現したい」…もう一度、あの翼が帰ってくる日を信じて…森とともに生きる未来を考えます。

編集後記

ディレクター:小林なつ子(東北放送)

佐藤太一さん(40)は、約300ヘクタールの山を管理する林業家。取材で訪れた山は木々の間から光が差し込み、足元には多様な植物が広がる、美しく整った場所でした。撮影中は野鳥のさえずりが響き、シカの群れに出会う場面も。豊かな森を感じることができました。

太一さんにとって久しぶりの休日。ご家族と食事の時間にもお邪魔したのですが、その日は偶然にも「父の日」。森の中とはまた違う、やわらかな笑顔がそこにありました。奥様もとても朗らかで、太一さんの挑戦を温かく見守っているようでした。

イヌワシがふたたびこの空を舞うまでには、まだまだ時間がかかります。それでも、自然と向き合いながら、未来を信じて一歩ずつ進む姿に、心を動かされました。
森・空・町をつなぐ挑戦を、ぜひご覧いただければと思います。

番組情報

株式会社 佐久
【住所】〒986-0729
宮城県本吉郡南三陸町志津川天王前205―12
【電話番号】0226-46-2037
URLhttps://m-sakyu.jp/

南三陸地域イヌワシ生息環境再生プロジェクト協議会
【住所】〒986-0729
宮城県本吉郡南三陸町志津川天王前205―12 株式会社佐久 内
URLhttps://m-inuwashi.com/

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