#443 ウイッグ・刺繍(ししゅう)・医療支援~看護師の不思議な生き方~

2025年09月20日(土) 05:20~05:50 (テレビ朝日 放送) RKB毎日放送制作 協力/文部科学省 総務省 中小機構 JAグループ

「助かる病気』となって久しい、がん。抗がん剤の影響で頭髪が抜けるためウイッグは必要不可欠なものですが、高価すぎたり質が思わしくないなど、患者にとっては大きな悩みの一つ。その脱毛期をサポートしたいと一念発起、資金5万円で専門美容室「ディピア」を開業した佐藤真琴さん(48)。アメリカ留学後、一般企業に就職。しかし母が寝たきりになったことをきっかけに看護学校へ通い看護師の資格を取得。実習で白血病の患者と出会い、ウイッグとケアの必要性を知ったことが起業の始まりです。

美容室ではシャンプー、ブロウ、パーマ、カラーリングなどオシャレの楽しみも見出せる仕組みを作りました。力を入れているのは「アピアランスケア」というがん患者の外見上の悩み(髪・爪など)をサポートする取り組み。美容室は完全予約制、それぞれの悩みを打ち明けられるため、ウイッグと過ごす人々の寄合い場所となっています。佐藤さんの口癖は「買わなくていいから」。他社製品のケアも好んで行い、補修やお直しは佐藤さんが自ら針仕事、その商売っ気のなさ、人柄が好きでやってくるお客さんも多くいるといいます。

また、毎週水曜日・木曜日に佐藤さんが向かうのはふるさと「静岡」。その目的は、海外発のプロジェクトのサポート。病気の予測や新しい治療法の開発につながる研究のサポートをすることで医療の知識を得ています。

そのバイタリティーあふれる佐藤さんの得意分野は、産学協同の地域連携の組み立て。現在は地方創生を目指す福岡県みやこ町と、西南女学院大学とともに活動を進めています。

働いていない時間はないという佐藤さん。趣味は布巾に刺繍をすること。ウイッグの補修の針仕事のトレーニングも兼ねているといいます。ほっと一息つきたいときに刺繍、新幹線の移動中も刺繍…その静かな時間が唯一の癒やし…。医療支援に町おこし、刺繍を愛する佐藤さん。そのバイタリティあふれる魅力に迫ります。

編集後記

ディレクター:谷口あゆみ(RKB毎日放送)

ウイッグ・医療支援・町おこし・・・どの現場においても一生懸命でアクティブな佐藤さん。美容室のお客さんとはまるで「友人」のように話し、町おこしの現場では大学生の「お姉さん」のような存在。どこへ行っても「佐藤さん、佐藤さん」と声をかけられ、その声に笑顔で応える姿はとても印象的でした。

そんなアクティブな佐藤さんの趣味は「刺繍」。ウイッグのお直しに必要な針仕事の訓練として始めたそうですが・・・今ではすっかりはまってしまい、自宅、カフェ、移動中の新幹線の中で無心に針をさす静かな時間を愛し、気づけば8時間近く没頭することも!毎日が忙しい佐藤さんの癒しになっているそうです。

看護師の資格を活かした医療機関でのサポート業務、海外発のプロジェクトへの参加など、とにかく忙しい毎日ですが、思いの中心にあるのは「病気と闘う方たちが生きにくいと感じることを減らすこと」。これからまだまだやりたいことが、たくさんあるそうです。

美容室から自宅へ帰るお客さんの後ろ姿に「一緒にがんばろう~」と、いつまでも笑顔で手をふる佐藤さんを、これからも応援したいです

番組情報

専門美容室 ディピア
【住所】北九州市小倉北区馬借2-6-3
【HP】https://dipeer.jp/

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