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札幌に住むフルート奏者で建築家の畠中秀幸さん(56)。右半身にまひがあり、左手のみで演奏しています。G7環境大臣会合の歓迎レセプションや、沖縄の戦争遺跡、築地本願寺などで精力的に活動する畠中さん。
幼いころからコンクールで優秀な成績を残す一方、京都大学で建築を学び、建築家としても順風満帆な人生を送ってきました。
しかし2011年、突然の病が襲います。脳内出血で倒れ「右半身は諦めたほうがいい」と告知されたのです。絶望の淵にいた畠中さんを突き動かしたのは、入院2日目に見舞いに来た友人の言葉「アーティストとしてラッキーだ。感覚が2倍になったということだ」。この言葉をきっかけに懸命なリハビリを続け、さらに左手のみで演奏できる世界に一つだけのフルートを手にした畠中さん。自身の中の「障がいがある右側」と「そうではない左側」の違いを受け入れ、身体の中での対話を大切に活動しています。
札幌から沖縄まで広く、病気や体の状態を子どもたちに知ってもらい、演奏と講演を通して命の大切さを考えてもらう「命の授業」を行うかたわら、戦後80年の今年、畠中さんのふるさとでもある広島で、慰霊の演奏も実現。原爆が投下された80年前と現代の時代をつなげる活動となりました。
「建築家」と「音楽家」。「健常者」と「障がい者」。相反する2つの感覚を結ぶ自分だからできることがあると話します。言葉どおり、2倍となった感覚は自身の活動に大きな影響を与えました。
今畠中さんが取り組んでいるのは「アート」と「農業」をつなぐプロジェクト。農業用の倉庫として使用されていた場所を改築し、仮設の音楽ホールと野菜の販売を行うスペースを作りました。体と心を癒やす空間でもあり、自然の中でアートに触れ新しい感じ方や人との対話を楽しむ空間を目指しています。
異なるものを排除せず、対話し、つなげる。まひが残る体で、それでも懸命にフルートを演奏し奏でられる一音一音は、いのちとの対話を響かせ続けています。
編集後記
ディレクター:時崎 愛悠(HBCフレックス)
今回の主人公、左手だけでフルートを演奏し建築家の顔も持つ、畠中秀幸さんを取材して半年。「いったい何個の顔を持つ人なんだ!」ととにかく驚いたのが最初の印象です。
フルートで学生時代から数々のコンクールで優秀な成績を収めたかと思えば、京都大学で建築を学び、こちらも数々の作品で受賞。しかも、突然襲った病にも不屈の精神で立ち向かう・・・そんな「すごい」人をどう描けばいいのか、描き方次第で様々な表現ができる一方、その人物像を描き切れるのか、難しさも感じました。
それはインタビューの一つ一つでも同じ。普段から“対話”という言葉を多く使う畠中さんは、取材中も毎回「どう感じた?」「どう思った?」と逆質問の連続でした。戸惑いながらも取材を続ける中で、時折見せる笑顔や、真剣に音楽に向き合う表情に出会い、普段の生活そのものが畠中さんにとって対話の連続で、これが日常なのだと感じていきました。
畠中さんの「対話」が多くの人を繋げていく、その瞬間を取材できたことに感謝し、番組を通してその対話の一端を担えていたらと願っています。




