#445 育休・大型連休あります~山梨発!くだもの生産法人の農業改革~

2025年10月04日(土) 05:20~05:50 (テレビ朝日 放送) 山梨放送制作 協力/文部科学省 総務省 中小機構 JAグループ

全国有数の果樹地帯、山梨県南アルプス市で桃、ブドウ、柿を生産するM.A.C.Orchard (エム・エー・シー・オーチャード)2021年に誕生した農業生産法人です。

社長はアメリカで大規模農業経営を学んだ飯野公一さん(66)。従業員は社員や研修生合わせて18人、平均年齢は39歳。社長以外は全員転職組で、幼稚園教諭やシステムエンジニア、消防士など、さまざまな分野で活躍してきた人たちが、これまでの常識を覆す農業に挑戦しています。先進的な農業経営は全国から注目を集め、20253月、第54回日本農業賞個別経営の部で大賞を受賞。受賞理由は「耕作放棄地の活用」と「極めて高い労働生産性」そして「徹底した労働環境の整備」です。

オーチャードは後継者がいないなど、耕作できなくなった近隣の農地300か所以上(東京ドーム5.1個分、約24ヘクタール)を借り受けて果樹を栽培。農地の保全に一役買っています。省力化のための独自の栽培方法を駆使して、機械化が難しいとされる果樹栽培の大規模農業を実現しています。

かつては「休まないことが農家の美徳」とされていた農業の労働環境。しかしここでは、週休2日(繁忙期は週休1日)の実現や長期休暇、さらに育休制度を導入。役員の次男・翼さんが今年初めて1か月間の育休を取得しました。また売り上げに応じてボーナスの支給も。労働環境の整備が社員のモチベーション向上につながっているといいます。

今期は桃の収穫量を10トン増の130トンに設定。はたして目標クリアできるのでしょうか。果樹生産の新しいスタイルに挑戦するオーチャードの皆さん。従業員や家族、地域のため規模拡大に取り組む飯野社長の思い、愛にあふれた農業人生…。農業の未来を照らすヒントが見えてくるかもしれません。

編集後記

ディレクター:小林邦照(ファーストビジョン)

山梨県南アルプス市にあるM.A.C.Orchard (エム・エー・シー・オーチャード)。社長の飯野さんとは、18年前に「大規模農業」というテーマで取材をして以来の再会でした。当時からやる気に満ち溢れ、地域を引っ張る果樹農家を目指していましたから、まさに有言実行です。

「果物をガンガン作って、ガンガン売りたい!」と話す飯野社長。地域の学童野球で30年以上指導にあたっていたこともあり、社員を引っ張っていく統率力は強力でした。一方で大切なのは「聴く力」だと感じました。

自分自身、年を重ねると長年やって来たことを曲げられず、人の意見を聴く柔軟性が失われることも増えてきます。そんな中、飯野社長は他業種から転職してきた若い社員の声に耳を傾け、看護の現場でマネジメントの指導をしていた妻みゆきさんのアドバイスに耳を傾けています。その素直な心と器の大きさ、従業員と家族、さらには地域の幸せのために突き進む姿勢は、理想の上司像であり、学ぶべきものがたくさんありました。

また飯野社長の次男・翼さんの「農業だからしょうがないは、うそ」という言葉には特に感心しました。「○○だからしょうがない」というのは、どの職業、どの立場でも言いがちです。言い訳にするのは簡単で、不可能だと思い込んでいるだけかもしれないと、自分自身の戒めとしました。

飯野社長のキャラクターにも助けられました。人懐っこく親しみやすく、遅刻しても社員にいじられるという、社員、パートアルバイト、全員から愛されるキャラクターでした。風通しがよく、部活のような和気あいあいとした社風が生まれていました。

今回、オーチャードの毎日をちぎり絵のように並べてみました。引いて見た時に、オーチャードの「ワクワクする楽しく元気な農業」が少しでも伝わったら幸いです。

番組情報

M.A.C.Orchard(エム・エー・シー・オーチャード)
【HP】 https://macorchard.jp/
【SNS】 https://www.instagram.com/m.a.c.orchard/

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