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熊本市にある「オリーブの家」は、刑務所を出ても行くあてがない人たちに半年を限度に住まいと食事を提供し、仕事を見つけるなど社会復帰を支援する自立準備ホームです。
14室ある部屋に暮らすのは20代から80代。アルコール依存がある人や、覚せい剤に手を出してしまった人、窃盗を繰り返してしまう人などさまざまです。
理事長を務める青木さんは、11年前「オリーブの家」を設立した時
「家族がいる温かい場所」にしたいと決めていました。
というのも青木さんと入居者がやり取りしてきた交換日記には、希薄な家族関係だった彼らの過去が記されています。彼らがもう少し愛情を注がれていたら防ぐことができた犯罪があったのではないか…青木さんはそう感じています。
オリーブの家のスローガンは「人はいつからでもやり直すことができる」「何度でもやり直すことができる」。11年間で200人近くの身元を引き受けてきました。入居者の中には再犯にいたってしまう人もいます。それでも刑務所の中から「もう一度やり直したい」と青木さんを頼ってくれば、その言葉を信じて身柄を引き受けます。
その背景にあるのは、青木さん自身が40代でヤクザの組長になり、あわせて30年近くも服役した後に更生できたから。63歳の時です。そして青木さんの更生を支えた存在こそ「家族」でした。
オリーブの家を卒業して仕事に就いている元入居者の一人がつぶやきました。
「大切な人がいることは、犯罪の抑止力になると思う」
自らの信念に基づき、入居者との絆を深めていく青木さんの家族づくりを見つめます。
編集後記
ディレクター:中村レン(熊本放送)
「信じる」ことをこれほど躊躇なくできる人に初めて会いました。青木康正さん78歳。「人はいつからでもやり直すことができる」と語りかけ、やりなおしたいという元受刑者を全力で支えます。
取材を通して感じたのは、罪を犯した人たちは幼いころから孤独を抱えて生きてきた、ある意味被害者だったのではないかということです。もちろん皆ではありません。でもそういう人たちが多いのではないか。本来は福祉の支援が必要だった人たちなのではないか。という思いにもなりました。
どんな罪にも必ず被害者がいます。だからこそ加害者の更生を支援することは、次の被害者を出さないために必要なことだと思います。オリーブの家を出たあと仕事に励み、立派な社会生活を送っている人たちがたくさんいます。家族ができ、時々差し入れを届けてくれる人もいます。
番組には出ていませんが、スタッフとして働いていた元入居者が、去年退職しました。そのとき、運営に役立ててほしいと20万円を青木さんに渡していかれました。入居したときの所持金はわずか78円だったといいます。その方の自信に満ちた表情は忘れられません。
どうかこうした施設がこれからも継続でき、罪を犯す人たちがひとりでも少なくなりますようにという思いを込めています。
番組情報
NPO法人「オリーブの家」
【電話】096-342-4123
【ホームページ】https://npo-olive.org/




