#466 みんなにこにこ ~自閉症のてっちん家族~

2026年05月09日(土) 05:20~05:50 (テレビ朝日 放送) 山形放送制作 協力/文部科学省 総務省 中小機構 JAグループ

日常に広がる世界をカラフルでユニークな絵で表現します。

山形市の長濱哲哉(ながはまてつや)さん(21)。みんなから「てっちん」と呼ばれています。てっちんは重度の自閉症で絵や文字は書けますが、会話など人とのコミュニケーションが苦手です。てっちんは絵を描くのが大好き。絵の題材は、見たものやその場の環境から連想して描くのが特徴です。例えば、ウマが近くにいる状況では、そこからイメージを膨らませ、大河ドラマのワンシーンや武将の姿を描き上げます。週3日、生活介護事業所に通い、障がいがある人たちとパソコンの解体作業やレクリエーションに取り組みます。作業の合間にある15分間の休憩が、絵を描くことができる一番好きな時間です。

幼いころは、パニックになると大声を出したり、泣きやまなかったりしたというてっちん。母・奈穂子(なおこ)さんは、息子が何を訴えているのかを理解してあげられず、何度も心が折れそうになる経験をしたといいます。てっちんが生まれる前は家族で出かけるのが当たり前でしたが、外出するのが怖くなり、家にこもった時期も。

転機が訪れたのは10歳の時。てっちんがある絵を描き、お互いの気持ちが通じたことがきっかけで、てっちんは自身の願望や伝えたいことを絵で表現するようになりました。てっちんにとって絵は、周囲の人との重要なコミュニケーションの手段になっています。

てっちんの絵と障がいのことをたくさんの人に見てもらいたいと奈穂子さんと姉・志穂さんが始めたのがインスタグラムです。日常をてっちんなりに切り取った絵を投稿しています。絵を見て心が動かされたという女性にも出会いました。

絵を描くことが大好きな自閉症のてっちんと彼を支える家族の思いを見つめました。

編集後記

ディレクター:岩崎謙太郎(山形放送)

重い自閉症がある「てっちん」こと、長濱哲哉さん。5年前、初めての個展でてっちんと出会ったのが、この企画の始まりでした。「次はどんな絵を描いてくれるんだろう」という期待感、そして彼にしか見えていないカラフルでユニークな世界。私もその魅力に引き込まれました。
てっちんがイベントでライブアートを始めると、その周りには自然と人の輪が広がります。てっちんが描く、見る人を笑顔にする絵には、人々を惹きつける力があるのだと感じます。

会話が苦手なてっちん。私はなんとか距離を縮めたいと思い、母の奈穂子さんに教わった通り「ゆっくり、端的に」話しかけることを心がけました。取材を重ねる中で、少しずつ目が合う回数が増え、描き上げたばかりの絵をカメラに向けてくれるようになりました。
また、取材で印象に残ったのは、奈穂子さんのてっちんへの優しい眼差しとポジティブな声掛けです。てっちんの自立が難しい現実があるからこそ、奈穂子さんは「絵を通して、てっちんを見守ってくれるコミュニティを増やしたい」と話します。

マイペースなてっちんと、いつもにこにこな奈穂子さん、そして、しっかり者の姉の志穂さん。てっちん家族の姿を通して、自閉症と向き合って過ごす日常と、絵で心を通わせる家族の形を感じてもらえればと思います。

番組情報

てっちんと家族のインスタグラム
@tetsuchin21
https://www.instagram.com/tetsuchin21

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