#483 海を渡る みこし ~塩竈(しおがま)みなと祭物語~

2026年09月05日(土) 05:20~05:50 (テレビ朝日 放送) 東北放送制作 協力/文部科学省 総務省 中小機構 JAグループ

宮城県塩釜市で毎年開催される「塩竈(しおがま)みなと祭」は、御座船と呼ばれる船が神社から下りてきた2基のみこしをのせ、松島湾を巡ります。1948年に戦後の復興と豊漁や海の安全を祈願する祭りとして始まり、日本三大船祭りの一つと言われています。

重さ1トンのみこしを担ぐ「氏子青年会」の佐藤太一さん(32)。太一さんが担ぎ手となったのは、子どものころに見たみこしを担ぐ父の姿に憧れたからでした太一さんは現在、氏子青年会の中心メンバーの一人として祭りを支えています。そんな太一さんの姿を見て育つ5歳の長男・蓮真(れんま)ちゃんと1歳の次男・睦綺(むつき)ちゃんも、今ではすっかりお祭り好きになりました。自宅でも手作りみこしを担いで遊ぶほど、かつての太一さんと同じように祭りへの強い憧れを募らせています。

今年の祭りは、町の人々にとって特別な節目でもありました。みこしを乗せて海を渡る2隻の船「御座船」が、老朽化のため今年で引退することになったのです。東日本大震災の津波で傷つきながらも町のシンボルとして60年以上、みこしを運び、祭りを支えてきた船の最後の姿に、多くの拍手が送られました。船は新造され、その魂も未来へと引き継がれていきます。

祭りのクライマックスは、担ぎ手たちによって、みこしが神社の202段の石段を上る場面。氏子全員の力を合わせ、石段を上がっていきます。太一さんも、子どもたちの声援を励みに懸命にみこしを担ぎます。
亡き父から太一さんへ、そして息子たちへと脈々と受け継がれていく地域の伝統。復興と豊漁や海の安全を祈る地域の人々の思い。地域の大切な伝統をつないでいく人々の物語です。

編集後記

ディレクター:我妻 優(東北放送)

202段ある急な石段を重さ1トンのみこしが下り、その後、船に乗って松島湾を巡航。そして、また石段を上っていく。最初は客観的に「あー、すごい祭りが塩釜にもあるんだな」と思っていました。
しかし、東日本大震災を乗り越え、60年以上にわたり海を渡り続けた御座船のラストラン。命がけでみこしを上げる氏子たちの姿。涙ぐみながら見送る市民の方々や、沿道からの途切れない声援を肌で感じ、「祭りはただの行事ではなく、地域を明るく照らすものだ」と改めて実感しました。

主人公の佐藤太一さんは、早くに亡くなったお父さんの背中に憧れてみこしの担ぎ手になりました。そして今、5歳と1歳の息子さんたちが手作りの小さなみこしを担ぎ、「えいやー!」と元気な声を上げて遊んでいます。亡き父から太一さんへ、そして子どもたちへと、脈々と祭りの魂が受け継がれている姿に強く胸を打たれました。

「何かを頑張っている人の姿を見ると、自分も頑張らないと」

太一さんの妻・琴乃さんの言葉です。
一生懸命に何かに打ち込む人の姿は、日常を頑張る活力へとつながっていくんだと感じました。数年後、太一さんの子どもたちがみこしを担ぐ時、再び彼らの姿で番組を作れるよう、私も日々何かを頑張っていければと思います。
そして、この番組が故郷や地域を大切に思うきっかけ、何かを頑張るきっかけになればいいなと願っています。

番組情報

塩竈市 商工観光課
【電話】022-364-1124
【HP】https://www.city.shiogama.miyagi.jp/soshiki/17/

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