#485 極上の一杯 ~サムライがつくる有機玉露

2026年09月19日(土) 05:20~05:50 (テレビ朝日 放送) 南日本放送制作 協力/文部科学省 総務省 中小機構 JAグループ

鹿児島県は、荒茶生産量が2年連続(2024~2025年)日本一。日本有数のお茶の生産地です。時代は抹茶ブーム。原料となる「てん茶」の需要が世界的に高まり、一般的な「せん茶」から生産を切り替える茶農家も多い中、日本茶の中でも最高峰とされる「玉露」、しかもその「有機栽培」にこだわる茶農家がいます。志布志市の合同会社さかもとの代表、坂元修一郎さん(71)です。

坂元さんは、創業100年を超える茶農家の3代目。40年前に有機栽培に舵を切りましたが、草取りに手間がかかるため栽培面積を半分に減らす決断をしました。当然、収穫量は伸び悩み、苦しい経営を強いられました。しかし、家族を中心にした従業員らと共に、決してあきらめませんでした。適したものが見つからなかった肥料は、地域で廃棄されていた魚かすや大豆かすなどを利用し、自社生産。緑茶の国内需要が低迷していくなか、販路を海外に求めました。その過程で、欧米で好まれるまろやかな味わいの「玉露」に行きつきます。

有機栽培でつくる玉露は、国内の茶生産のわずか1%以下しかないとても希少なもの。いまでは生産するお茶のほとんどを、アメリカやヨーロッパなどの海外に直接販売しています。ブレることなく、玉露一筋の坂元さんにほれ込んだ海外のバイヤーは、坂元さんを「ラストサムライ」と評します。

茶づくりに情熱を注ぐ坂元さんのもう一つの顔は、地域の祭りのポスターを毎年描くこと。武者行列や「幻の一夜城」が登場する祭りのために描く「サムライの世界」。坂元さん自身もかつて「3代目藩主」として、町を盛り上げてきました。そのころからのトレードマークが、サムライさながらの髭(ひげ)です。

「極上の一杯」のためにお茶づくりに打ち込む、坂元さんの熱き思いを追います。

編集後記

ディレクター:小川直樹(南日本放送)

 鹿児島県はいま茶業界が活況を呈しています。荒茶の年間生産量が、初めて静岡県を抜いて1位となり、取引価格も上昇を続けています。世界的な抹茶ブームの中、原料となるてん茶の生産に切り替え、生産量を増やす農家が出ています。

そんな中、飛び込んだ坂元さんの茶畑での取材は当初、疑問だらけでした。茶畑の面積を小さくし、抹茶の生産はわずか。一方で、「玉露」の生産に集中していました。私自身、「玉露」になじみがなく、周囲で日常的に飲んでいる人を見かけたことがありません。

何度も通ううち、それは「必然」だったことを知りました。農薬や化学肥料を使わない有機栽培の茶づくりを続け、家庭で急須を使ってお茶を飲む習慣が無くなる中、海外に活路を見出しました。たどり着いたのが、欧米で好まれる渋みの少ない玉露です。「お茶の文化を守りたい」。取材を通じて、坂元さんから何度も聞いた言葉です。

トレードマークの髭(ひげ)は、地域の祭りで「藩主」を務めたころから生やしています。本物のお茶づくりを一途に続ける坂元さんの生きざまにほれ込んだ海外のバイヤーが「ラストサムライ」と評したとき、番組タイトルが決まりました。
坂元さんの茶づくりから、目の前のことへの向き合い方、そして農業の未来について思いを馳せてもらえたら嬉しいです。

番組情報

  • 合同会社さかもと
    【住所】鹿児島県志布志市松山町新橋4517
    【電話】099-487-2201
  • ※合同会社さかもとが生産する「有機玉露」は、国内では一般販売はしておりません。
     ご理解のほどお願い申し上げます。

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