#231 ひとりじゃない ~ママがゆく!復興への道~

2020年9月5日(土)(テレビ朝日 放送) 信越放送制作 協力/文部科学省 総務省 中小機構 JAグループ

 2019年10月、台風19号が長野県を襲いました。長野市では千曲川の堤防が決壊。3800棟の住宅が浸水し、6000人余りが避難生活を余儀なくされました。堤防が決壊した長沼地区に住む田中恵子さん(42)は、夫と小学生の子ども2人の4人家族。災害から1か月半が過ぎた頃、避難所から全壊した自宅へ戻ってきました。壁や床は、むき出しの状態。1階にあったものはすべて流され、テーブルや棚は段ボール…ほかの地域に移り住む人も多くいるなか、田中家は愛着のある地域、我が家での生活を再開することに決めました。

 同じころ、恵子さんは避難所で出会った仲間と支援団体を立ち上げます。その名も「HEARTY DECO(ハーティー・デコ)」。仮設住宅やアパートと被災者同士がバラバラになってしまったいま、もう一度つながれる場所が必要だと考えました。物資をもらいにくる人、話し相手がほしいと毎日訪れる人。利用の仕方は様々です。仲間と家賃を出し合ってアパートを借りてからは、クリスマスパーティなどのイベントも企画。新型コロナウイルスの影響で閉鎖している間は、お弁当を配りながら玄関先でおばあちゃんたちの話を聞いてまわります。『HEARTY DECOのおかげで生き返った』。次第に、被災者たちの心のよりどころとなっていきます。

災害から、まもなく1年。新型コロナの影響で復興に足踏みする場面ももあるなか、家は少しずつリフォームがすすみ、息子の小学校卒業など、家族にとっての1大イベントも無事むかえることができました。災害について、「失ったものは大きいけど、得たものも多かった」と振り返る恵子さん。恵子さんが「得た」ものとは何か。家族との日常やボランティアでの活動を通して、恵子さんの復興に向けた歩みを追いました。

 

編集後記

ディレクター:小林沙良(信越放送)

「まわりのために、なんでこんなに動けるんだ…」「この人のパワーはどこから出ているの?」取材をするたびに、感じていたことです。自分と家族の生活すらままならないなか、平日はフルタイムで働いて、家に帰ればお母さん業をこなし、休みの日にはハーティデコの活動をする。恵子さんは「あれよあれよという間に大きくなっていた」と笑っていましたが、その上で「全部を楽しいと思ってやっている」と話していたのが印象的です。

「せっかくなら前より良くしないともったいないよ!」家のリフォームについて話し合いをしているとき、恵子さんが何気なく言った言葉です。たくましい、プラス思考、パワフル…恵子さんを形容する言葉はたくさんありますが、何かを失ったときに、この考え方を持って立て直そうとする姿勢は、前向きにものをとらえる一歩なのだろうと思いました。災害で出会った人たちとの絆を、これっきりにしたくないという思いもあったのでしょう。「ハーティデコ」として形を残したからこそ、そこで出会った人とは「一生の財産」と言えるほど、深い仲になりました。

温和でちょっとだけ抜けている(?)お父さんに、しっかり者で少しシャイな優貴くん、天真爛漫で、カメラを向けても自由きままに動き回っている里紗ちゃんと恵子さんのやりとりは、いつも絶妙です。起きたことを悲観するのではなく、「非日常」のなかでもたくましく生きる家族の「日常」は、どこかホッとさせてくれます。各地で自然災害が相次ぎ、新型コロナに翻弄されるこの時代、恵子さんの生き方や考え方は、逆境を乗り越えるヒントになるかもしれません。

番組情報

HEARTY DECO(ハーティー・デコ)
【HP】https://heartydeco.wixsite.com/heartydeco
【電話】070-2792-6072(菊池)

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