#7 上杉の城下町に学ぶ ~いまに受け継がれる伝統食~

2013年5月26日(日)(テレビ朝日 放送) 山形放送制作  協力 文部科学省

上杉家の城下町・米沢市には、江戸時代から受け継がれ、今なお家庭の食卓で食べられ、観光客にも振る舞われる数多くの伝統食が残されています。番組では、そのなかから3つの伝統的な食材にスポットをあてて構成されています。
まず一つ目が、天然の雪室のなかで育つ「白い大地からの贈り物である雪菜(ゆきな)」です。雪菜は、全国でも珍しい雪の下で成長する野菜です。上杉家の10代藩主・上杉鷹山が冬場の生鮮野菜の確保のため、栽培を奨励したといわれています。
おひたしや炒め物にも合いますが、湯通しして(ふすべる)塩で漬けると、辛みが出てきます。厳しい冬を旬とする雪菜は、冬場に野菜がなくなる雪国で生活してきた先人の知恵が宿っていました。

2つ目が、内陸部のため水産資源に乏しい米沢の領民がタンパク質不足からくる病気に悩んでいた際に、医療食として10代藩主の上杉鷹山が福島県相馬から稚魚を取り寄せ、城のお濠で育てたという「米沢鯉」です。タンパク質のほか、ビタミン類も豊富で、病中病後の体力回復や虚弱体質の改善に良いとされています。切り身をしょう油と砂糖で時間をかけて煮詰める定番の「甘煮(うまに)」のほか、最近ではカバ焼きなどさまざまに加工して食べられています。
3つ目が、屋敷の生垣として利用され、春先の新芽が食用にもなる「うこぎ」です。
米沢藩の基礎を築いたといわれる上杉の知将・直江兼続(かねつぐ)時代に栽培が始まり、その後、家臣たちの屋敷の垣根として植栽を奨励したといわれています。摘んだ新芽をおひたしや天ぷら、炊き込みご飯などにして食べます。ポリフェノールが多く含まれていることから、最近では健康食品としても注目され、お茶やパスタソース、アイスクリームなどに加工され、広く市民から食されています。

編集後記

ディレクター:松浦 正登(山形放送)

今回の番組では、ナレーションは是非、この人に頼みたいという意中の人物がいました。番組のロケ地が、上杉の城下町・米沢であることにちなみ、米沢出身の俳優でタレントのあき竹城さんでした。
いまやバラエティー番組などでもひっぱりだこの状態ですので、スケジュールなどで無理かな・・・?とはじめは躊躇しました。事務所に話を持ちかけますと、米沢つながりのご縁もあるでしょうから・・引き受けさせていただきますと快諾していただきました。
これが今回の番組に、局のアナウンサーにはない独特のテイストを醸し出すのに功を奏したと思っています。2時間にもおよぶナレーション撮りでしたが、私の拙いナレーション原稿に華を添えていただけたと喜んでおります。

番組情報

  • 上長井「雪菜」
    生産組合組合長 佐藤了さん

    【電話】0238-38-4747

  • 鯉の六十里
    岩倉 公男さん

    【電話】0238-22-6051

  • うこぎ生垣・町並み保存会 石川 きみよさん

    【電話】0238-38-2244

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