#19 麸の魅力 再発見!! ~名水が生む絶品の麸に学ぶ~

2013年9月15日(日)(テレビ朝日 放送) 山形放送制作  協力 文部科学省

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お味噌汁や煮物の具材として食卓に上るお麸。全国には様々な形や味をした麸があります。石川県には「すだれ」模様をした「すだれ麸」、山口県にはシュークリームのような形をした「安平麸」などです。山形県東根市には長さ2メートル近い麸があるんです。作っている地名から六田麸と呼ばれ、その形はフランスパンを思わせます。

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しかも、六田地区という小さな集落には、麸を作る店が5軒もあるんです。
六田に製麸店が根付いた理由。それは豊富な湧水にありました。麸作りには、清らかな水をたくさん必要とします。さらに、山形県の花にもなっている「紅花」の存在がありました。

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六田にある製麸店の中で最も長い歴史がある「文四郎麸」。6代目社長の斉藤文四郎さん(67歳)は「六田麸のすばらしさを伝えたい」と、考えています。製法の違いから六田麸はコシが強く、シコシコした歯ごたえ、それに、煮崩れしないと人気なんです。

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今では人気の六田麸ですが40年ほど前、販売不振に見舞われました。その原因を文四郎さんは自分たちが「六田麸のすばらしさを伝えていなかった」と悔いています。その思いから文四郎さんが始めたのが麸の懐石料理の店。メニューには生麸のお造りや、フランス料理を思わせる麸の揚げ物など常識を覆す品がぞくぞく登場。

番組では、地域の歴史や環境が麸の形に表れることや、進化を遂げた山形の麸料理を紹介します。さらに、六田麩のすばらしさを伝えている人たちの思いに迫ります。

編集後記

ディレクター:金内 忠

 お味噌汁や煮物の具材として食卓にのぼる「麸」。決して、料理の主役にならないものだけに、正直、不安な気持ちで取材に入りました。
同じ山形県内でも私が育った山形県庄内地方の麸は、薄いうえに細く切って料理に使います。
一方、同じ山形県の内陸地方では麸の大きさが人の拳ほどもあり、麸に煮汁をたくさん吸わせて食べます。麸には地域性が形になって表れることを知ったことが、この企画のきっかけでした。
今回、取材した麸を作る店「文四郎麸」の社長、斉藤文四郎さん(67)は今では珍しい職人気質で、「見て覚えろ!」を実践している人です。
このため、息子さん(43)にも、一人の職人として接します。
番組では現代の社会では余り見られなくなった職人の世界が垣間見られると思います。
取材をしてみて、麸作りにかける斉藤社長の手間を惜しまないひたむきな姿勢には脱帽しました。
斉藤社長の信念である、「おいしい麸をお客さんに食べてもらいたい」という「おもてなし」の気持ちがそうさせていました。
番組では、2メートル近い麸や勢いよく湧き出る伏流水などの珍しい映像が盛り込まれています。
さらに、これまでの麸料理の常識を覆す、様々な料理も楽しんでもらえると思います。

番組情報

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■文四郎麸
ホームページ

 

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■梅ケ枝清水
ホームページ

 

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