#46 熊本・八代産 塩トマトは海からの贈りもの

2014年5月4日(日)(テレビ朝日 放送) 熊本放送制作  協力 文部科学省

shokukikou46-4.jpg熊本県の宇土・八代地域では、およそ50軒の農家が塩トマトを栽培している。

塩トマトは、干拓地でできるトマト。海からの塩分を豊富に含み、ミネラルなどが豊富だ。

この地域では、60年ほど前からトマトの栽培が始まったが、以前は塩害を受けたできそこないとして、農家は自家用として食べたり、廃棄したりしていた。

shokukikou46-3.jpgしかし産地の努力もあって、次第にその美味しさが全国に広がるようになり、今では普通のトマトの10倍もの値がつくようになった。

塩トマト独自の品種はなく、農家が植えつけるのは一般的な「桃太郎」。植えつける土壌によって、塩トマトができるのだ。まさに自然からの贈りものだ。

shokukikou46-5.jpg栽培農家の澤村輝彦さん(54)は、有機栽培で塩トマトをつくっている。
早春にはクレソンを摘みにいき、微生物の発酵を促す黒砂糖とともに漬け込み、肥料をつくる。

クレソンのほか、あけび、たけのこなども材料になる。どれも地元でとれた旬のものばかり。堆肥も、土作りも、自然の持つ力を最大限に活かした方法だ。

自然を敬う農業。
それは、海からの贈りもの、トマトが教えてくれたことだ。

編集後記

ディレクター:井上 佳子(熊本放送)

塩トマトのおいしさは以前から聞いていましたが、今回初めて味わうことができました。皮は歯ごたえがあり、一口噛むと、酸味と甘みが一気に口の中で弾ける感じです。すぐに皮目に塩を感じます。このトマトは海から生まれたんだな、と感じる瞬間です。栽培農家の澤村輝彦さんも、おそらく、この味に出会ってから、自然の力をもらう農業への想いが強まっていると思います。早春のクレソン、4月のたけのこ・・・。澤村さんがつくる「トマトのご飯」です。
地元の旬の素材でつくるご飯はまさに身土不二。
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自然のカヤがふかふかの土になること、微生物の発酵で、手を入れられないくらい堆肥が熱を持つこと。取材スタッフは既に知っていることばかりでしたが(汗)、私にはとても新鮮な感動でした。「食」は広く、深く、さまざまな真理を教えてくれます。番組の可能性を再確認した取材でした。

番組情報

◆JAやつしろ
【電 話】0965-35-3333(代表)

◆肥後あゆみの会(澤村輝彦さんの農場)
【電 話】0964-33-7240

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