其の46 住職は舞姫

2009年5月9日(土)(テレビ朝日OA) 四国放送制作

韓国伝統舞踊家として将来を嘱望されていた金昴先(キム・ミョウソン)さん(51歳)は、日本公演の際、徳島市にある四国88ヶ所の第13番札所、大日寺に宿泊したことが縁で、18歳年上の大栗弘榮住職と結婚、一粒種の弘昴君(10歳)にも恵まれます。住職婦人と舞踊家としての多忙な日々を送るうち、当初日本で暮らすことに反対していた師匠の理解を得て、韓国の次期人間国宝に指定されるまでになります。2年前に夫が突然倒れ、韓国に帰ろうか迷った彼女の心を決めさせたのは息子の「僕がお父さんのように立派なお坊さんになるまで寺を守って欲しい」という一言でした。苦労の末、息子と二人で得度、ついには四国88ヶ所初の外国籍の住職に就任するまでになりました。言葉、風習、文化など様々な違いを乗り越え、宗教と芸術の両立をはかるキムさんの人間力に迫ります。



◇ディレクター:四国放送 山田隆子◇
金 昴先(キム・ミョウソン)さんが徳島市郊外にある13番札所の住職に嫁いだとき、誰が彼女の今日を予想したでしょうか? 新婚当時の彼女は言葉もたどたどしく、夫に意見を求める姿が印象に残っています。されど母は強し!夫の急死で本来の彼女の逞しさが発揮されます。それは一粒種の弘昴君の言葉ゆえだったのですが、やはり、周囲が言うように彼女は「運命を開拓する人」だったのです。今回の取材で人間国宝は世界で日本と韓国にしかないことを知りました。また、お坊さんの持つ道具など、二つの国に共通する文化もたくさんあることをしりました。自分の意志でロスで暮らしている弘昴君が、3カ国の文化を学び、スケールの大きな住職になる日を夢見てキムさんは文字通り「僧の舞」を舞い続けるでしょう。




夫の突然の死で韓国へ帰ろうとした金昴先さんを思いとどまらせたのは、弘昴君の一言でした。
◆国を越えて認められる舞踏家になる◆
韓国から見れば外国である日本で住みながら伝統芸能の人間国宝後継者に選ばれたのも、外国籍で四国の札所の住職になったのも、金さんが初めてです。
◆子供の言葉で強くなれた◆
どちらも困難な道ですが、弘昴君の「僕が住職になるまでお寺を守って」という言葉で強くなれたのです。
◆目で聞く、耳で読む◆
金さんは、目で聞く・耳で読むという体当たりの努力で宗教と芸術の両立を計り、
◆徳島で日韓交流の架け橋になる◆
周囲の人も巻き込みながら、徳島で日韓交流の架け橋になる夢を叶えようとしています。

金 昴先(キム・ミョウソン)さん(51歳)
四国第13番札所 大日寺
TEL:088-644-0069

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