其の72  Obrigado―ありがとう―を伝えよう

2009年11月21日(土)(テレビ朝日OA)  新潟放送制作


新潟で子ども達にサッカーを教えるブラジル人のファビーニョさん(36)。彼はJリーグでも活躍した元プロサッカー選手です。日本で叶えたいある夢を持って、この6月からサッカーコーチを始めました。まだ日本語は上手く話せませんが、ファビーニョさんの教え方にはある特徴があります。それは子ども達への掛け声です。「ナイス!」「OK」、たとえ失敗しても「大丈夫」。声を掛ける訳は、日本人の子ども達が失敗を恐れてしまっているから。「失敗は誰でもする、だからこそ自分に自信を持たなきゃいけない」と、ファビーニョさんは一人一人の目を見ながら笑顔で言葉を掛けていきます。そして、本当に伝えたいことは、夢を持ち、その夢をあきらめない大切さ。実はファビーニョさんは、簡単にプロになれたわけではありません。両親のある言葉が、サッカーへの自信を持たせてくれたのです。後悔しない生き方をしてほしい、言葉の壁を乗り越えて子ども達と心を通わせるの姿を追いかけました。



◇ディレクター:山口牧恵◇
ファビーニョさんと話をする中であらためて思ったことは、日本人とブラジル人のいわゆる“ハングリー精神”の違いでした。「ブラジルの子ども達は例え間違っていたとしても自分の意見をどんどん言う。何かチャンスを与えられたら、我先にと手を挙げる。それが日本の子ども達との違いかもしれない」と。確かに自分の幼い頃を振り返ってみると、失敗しそうなことには積極的に手を挙げなかった気がします。失敗は恥ずかしいことだというのが私にとって当然の認識だったのです。けれどブラジルでは、“失敗してもいいからどんどんチャレンジしよう”というのが、学校でも家庭でも当然の教えだといいます。それがきっとチャンスを逃さない姿勢を生み、ファビーニョさんがプロへの道を切り拓く力になったのだと思います。今、ファビーニョさんにチャレンジ心を育てられた子ども達は、サッカーに限らずあらゆる場面において自らの可能性を広げていくことができるのだろうと、彼らの生き生きとした表情を見て感じました。




私がファビーニョさんに初めて会ったのは、アルビレックスの担当記者になった2004年でした。
気持ちの入った熱いプレーと、あの優しい笑顔に惹きこまれたのを、今でも覚えています。
そして今回の取材を通して感じたのは、その笑顔の力でした。

日本の子どもたちに教えたいのは、失敗を恐れていてはチャンスは生まれないということ。
◆失敗を恐れていてはチャンスは生まれない◆

それは例え言葉が通じたとしても、簡単に伝わるものではありません。
だからこそ子どもたちに笑顔で言葉をかけ、チャレンジする勇気と、自分への自信を持たせるのです。

そしてファビーニョさんの笑顔は、子どもたちにも周囲の人たちにも伝染していきます。夢を諦めず、挫折を乗り越えてきた、確かな強さと自信が生んだ笑顔。
それがファビーニョさんの人間力だと感じます。

氏名 : ファビーニョ (本名 DOS SANTOS FABIO JOSE)さん (32)
職業 : サッカースクールコーチ
所属 : アルビレックス新潟
〒950-0954
新潟市中央区美咲町2-1-10
TEL025-282-0011(アルビレックス新潟スクール事業部)
平日:13:00~20:00 土曜日:9:00~12:00
※日曜・祝祭日・ホームゲーム開催日は休み

ご意見・ご感想

皆さまからのご意見・ご感想をお待ちしております。
お寄せいただいたコメントにはすべて目を通しておりますが、必ずしも掲載されるものではございませんのでご了承ください。
なお、企画提案、商品宣伝、イベント告知等に関する投稿は固くお断り申し上げます。

※ 記入欄に、お住まい(都道府県)もご記入いただければ幸いです(任意)