#6 みんなの桃源郷 ~年間20万人訪れる300人のムラ~

2015年5月24日(日)(テレビ朝日放送) 山形放送制作  協力 文部科学省/独立行政法人 中小企業基盤整備機構

chikara6-2.jpg番組の舞台は山形県飯豊町中津川地区。山形と福島の県境、飯豊山の山懐に位置する人口300人余りの小さな集落です。今、そこに年間20万人の観光客が訪れています。きっかけは「過疎化が進む地域を元気にしたい」と8年前、8軒の農家民宿が同時に開業したことでした。恵まれた自然や昔ながらの里山文化、伝統食、人情味あふれるおもてなしで、都会や外国からの観光客が増加したのです。

chikara6-5.jpgまた、中津川への移住者も増えています。神奈川県から5年前に移り住んだ舩渡川葉月さん(33)は、スゲ笠作りの技を地元のおばあちゃんから受け継ぎ、今や立派な職人となりました。千葉県出身の賢一さん(52)と結婚後、おととし長女が誕生。「中津川の良さを生かしながらどう暮らしていくか・・・」。葉月さんはスゲを使った新たな製品作りに挑戦しています。

chikara6-11.jpg 一方、恒例の雪祭りには、「冬の里山暮らし体験ツアー」の東京の大学生が参加。イベントの助っ人として地元住民と一緒になって活動しています。去年からは近くの山に自生しているイタヤカエデの樹液を採取。オリジナルのメープルシロップを作るなど、新たな特産品作りにも意欲的に取り組んでいます。

番組は訪問客と地元住民たちとの心温まる交流を通して、chikara6-6.jpg自然に寄り添って生きる中津川の人びとの2年半を見つめました。

編集後記

ディレクター:伊藤 和幸(山形放送)

中津川地区のように農家民宿8軒が一斉に開業し、連携して営業を行っているところは全国的にも珍しいそうです。だからこそ団体客の受け入れが可能になりました。
農家民宿のおじいちゃん、おばあちゃんたちは今や、たくさんの訪問者に地域の里山文化を伝える“先生”として大活躍。それが元気の源となっています。中津川には宝物がたくさんあることを、改めて気づかせてくれたのは、訪問者のお蔭かもしれません。
そんなお宝のひとつは「メープルシロップ」でしょう。イタヤカエデの樹液で作る中津川産のメープルシロップは非常に希少です。気になるお値段は、120ミリリットル入りで2000円(税別)。少しお高いですが、採取とそれを煮詰める苦労を考えると、ある程度納得してもらいたいなあ・・・と。
スゲ細工の商品化に向けて試行錯誤している舩渡川葉月さん。耳にスゲのイヤリングをしていたことに気づいていただけたでしょうか?夫の賢一さんは夢の実現のため、ポルシェを軽トラックに乗り換えて日々、奔走中です。
4月。“桃源郷”の春はピカピカに輝いていました。

番組情報

◆いいもんだ中津川 ホームページ
【H P】http://www.iimonda-nakatugawa.com/

◆飯豊町中津川地区公民館
【電 話】0238-77-2020

◆飯豊町観光協会
【電 話】0238-86-2411
【H P】http://www.iikanjini.com/index2.html

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