#48 大逆転!甦った町の水族館 ~飼育員たちのユニーク展示術~

2016年5月22日(日)(テレビ朝日放送) 名古屋テレビ放送(メ~テレ)制作  協力 文部科学省/独立行政法人 中小企業基盤整備機構

chikara48-4.jpg愛知県蒲郡市の市立竹島水族館は日本で4番目に小さな水族館。6年ほど前まで、客が少なく、廃館の危機に陥っていました。
しかし現在の小林龍二館長(35)が就任して以降、来館者が急増。今では一日に平均で約1200人、年間で30万人以上が訪れる人気の水族館として生まれ変わりました。

chikara48-1.jpg入館者が増えた理由は、独特の展示方法にあります。小さいながら他に類を見ない充実した深海生物の展示、飼育員による手書きの解説プレート、そして展示生物を食べた「食味」を紹介することもあります。飼育員が積極的に客の前に出て、独特のスタイルで説明を加えるのも、この水族館の特徴です。

地域の人たちにも支えられて甦った竹島水族館の復活劇を紹介します。

編集後記

ディレクター:間淵 裕子(名古屋東通企画)

竹島水族館は、昭和を感じさせるレトロな建物だけを見ると、「入って大丈夫かな」とやや不安になります。しかし館内に入ってみると、無数に貼りだされた展示物にまず驚き足をとめ、水槽で泳ぐ魚たちの展示方法も遊び心が溢れていて、またそこで足を止めて見入ってしまう、そんな水族館です。サッカーコート半分しかない施設なので、すぐ見終わってしまうかと思いきや時間があっという間に過ぎていってしまうほど見ごたえ充分です。さらに「小ささ」を逆手に取ったアシカショーは、いつ行っても満員。客との掛け合いも見もので、いつも笑い声が絶えません。

この竹島水族館には、イルカやシャチなど目玉となる生き物はいません。それでも年間に30万人もの客が足を運ぶのは、なぜなのか。これまでの経緯や飼育員たちの思いを探ってみたい、それが取材の始まりです。取材を進め蓋を開けてみると6年前までは今の水族館からは想像がつかないほど入館者は低迷し、廃館の危機まで追い込まれていたほど寂れた水族館でした。そんなどん底時代に入社したのが、現在の館長 小林龍二さんです。地元で生まれ育ち足しげく通った水族館で飼育員という夢を叶えたものの客が来ない、毎日貸切状態で水族館の存在意味を深く悩んだといいます。いっそのこと辞めて大きな水族館へ再就職も考えたものの、留まったのは唯一つ“生まれ育った地元”だったこと。お金が無いならその分知恵を出す。手作りにとことんこだわって客と飼育員、客と生き物との隔たりをなくす。イルカやシャチがいないなら、飼育員を展示物にしよう。「どん底だったから、お金がなかったから思いついたことがいっぱいある」と何度も話す小林館長。

そして、水族館を支えるのは飼育員だけではありません。珍しい深海生物を生きた状態で持って帰って来てくれるのは、地元の漁師たちです。全国最多の120種類もの深海生物を展示できるのも、地元の人たちの惜しみない協力のもと成り立っているのです。

年間30万人もの客が足を運ぶ水族館に生まれ変わった今、さぞかし満足していると思っていましたが、小林館長のアイデアノートにはまだまだ実現させたい未来予想図が描かれていました。小さいけれど、手作りとアイデアはどこにも負けない竹島水族館の快進撃には、まだまだ目が離せません。

番組情報

◆竹島水族館
【住  所】愛知県蒲郡市竹島町1-6
【電  話】0533-68-2059
【開館時間】9:00~17:00
【休 館 日】毎週火曜日
【入 館 料】大人 500円 子ども 200円
【H  P】http://www.city.gamagori.lg.jp/site/takesui/

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