
「昔は規格外なんてなかった、曲がっていても形が小さくても大地の恵みを生かしたい」鹿児島県鹿屋市にある農業生産法人オキス、社長の岡本孝志さん(55)は話します。
鹿児島県・大隅半島。肥沃な大地が広がり国内でも有数の食料供給基地ですが消費地から遠いことがネック、特に規格外とみなされ出荷できない野菜の多くを捨てている現実がありました。

10年前、運送業から農業へ参入した岡本さん、「干し大根」にヒントを得て野菜を乾燥加工、規格外の野菜でも商品化でき運びやすさも兼ね備えた乾燥野菜を中心に、生産から販売まで農業の6次産業化を推進しています。
黒土に魅かれて鹿屋にやってきた農業女子も入社、鳥獣被害で悩む近隣の農家には被害にあいにくい
換金作物を推奨。岡本さんは人と人のつながりを生かし新たな展開で過疎の町の活性化に取り組んできました。

そのような中今年9月、大型台風が上陸、農作物に甚大な被害が発生し意気消沈するオキスのスタッフ。岡本さんは試行錯誤の末、開発した新商品に地域の希望を託します。東京で行われた展示会、新商品「あしたのおやつ」の反応は!?
ふるさとの人々と共に土と向き合い「あした」を見つめるアイデア社長と新人農業女子の奮闘を追いました。
編集後記
ディレクター:水野俊彦(南日本放送)
「黒土に作物がたくさん実っている光景に感動しました」
この春オキスに入社した新人農業女子原田さん(佐賀県出身)のインタビュー今でも忘れられません。私をはじめ多くの鹿児島県民にとって見慣れた黒土の広がる光景、そして意識せず買い求め口にしていた野菜。
夏場の台風や天候不順で全国的な野菜の高値が報じられた今年の秋、曲がっていたり傷があったりサイズが合わないという理由で流通にのらない規格外の野菜は人知れず処分されている現実があります。
「ふるさとの人、大地のものをすべて活かす」
知恵と人と人とのつながりを最大限に活かす、
地方には利用されていない資源がまだまだたくさんあるはずです。
きっとあなたの身の回りにも・・・・。