#85 ローカル線復活物語 ~廃線の危機を救え~

2017年4月16日(日)(テレビ朝日 放送) テレビ朝日制作  協力 文部科学省/独立行政法人 中小企業基盤整備機構

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千葉・房総半島、菜の花が咲く田園風景の中を走る「いすみ鉄道」。ノスタルジックな姿は人々の心を惹きつけ、休日には田舎の小さな駅に多くのお客さんを集めています。
いすみ鉄道と言えば、公募で航空会社から来た社長が、廃線の危機を救ったことでも知られます。訓練費を自己負担という条件で運転士を募集したり、懐かしい昭和の時代のディーゼルカーを導入、さらに、その「キハ」車両を使って列車内レストランなど、驚きのアイデアで奇跡の復活を実現させました。

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そんな中私たちは、このいすみ鉄道で頑張る女性に出会いました。田中しほさん39歳。彼女は広報や営業、社長秘書などあらゆる仕事を兼務して会社を支えています。元気な笑顔と明るさが魅力のしほさん。時には大声を張り上げてお客さんを誘導し、緊急事態が発生すればホームを全力疾走。そして、女性らしい目線で商品の開発まで行うというマルチな働きぶりです。

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3月、いすみ鉄道では、二つの企画が動き始めていました。一つが、ダイヤ改正を機に運行開始する臨時列車「花金列車」。金曜だけに走らせる遅い終電です。もう一つは企画切符「青春28きっぷ」。どちらの企画にも関わっているしほさんは、多忙な毎日。

果たして「花金列車」にお客さんは乗るのか、企画切符は売れるのか!?そこには、地域に密着したいすみ鉄道で働く喜びと、感動がありました。

編集後記

ディレクター:市村奈穂(ViViA)

田園広がるのどかな風景の中を走る「いすみ鉄道」。菜の花を思わせるレモンイエローの車両はなんとも言えないかわいらしさがあります。そして、木造の駅舎や古い看板など昭和を思わせるレトロな雰囲気も魅力の一つ。旅気分を味わえ、ワクワクした気持ちになります。私は取材のため、本社のある大多喜駅に何度も通い、その度にそんな気持ちを味わっていました。出会うお客さん達も同じで、窓の風景に見入ったり、車両前方に張りつき食い入るように見つめたりと。声をかけると大半は「乗ってみたかった」「菜の花を見にきた」など、初めていすみ鉄道に乗るというお客さん。主要駅・大多喜駅や始発駅の大原駅は、週末になると大勢の人が訪れます。かつて乗客数が減り、廃線の危機を経験した「いすみ鉄道」が集客のために企業努力を続けてきた結果がこれなんだと、肌で感じ、感動を覚えました。

この数年で始めた様々な取り組みの数を聞いて驚きました。レストラン列車を始め、車両を使ったイベントを次々と企画。さらに鉄道グッズの開発、新しい車両を使ったサービスなども展開。今回、取材をさせて頂いた広報担当の田中しほさんや鳥塚社長を始め、皆さん様々な仕事を兼務し多忙な業務をこなしていました。「仕事をやらされている」という風ではなく、皆さん積極的に取り組んでいる様子でした。例えば企画会議に参加させてもらった時も、「これは面白い!」「私ならこれが欲しい!」とアイデアを次々と出していました。また、接客の仕事をしてお客さんと交われば、親切にホーム内を誘導し、記念撮影や近郊の観光案内までしていました。お客さんと従業員の皆さんの距離が近く、人がみな温かいのです。

企業努力と素朴な温かさ、それこそが「いすみ鉄道」の強みであり、魅力です。何より私が、取材が終わっても「また乗りに行きたい!」と感じている今日この頃です。

番組情報

◆いすみ鉄道株式会社
【H P】http://www.isumirail.co.jp/

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