東京・浅草。
江戸文化の息づくこの町で、いま大きな注目を集める伝統工芸があります。それは、ガラス細工のような、動物を模した本物そっくりの飴細工。
従来のイメージを打ち破る超リアルな飴細工を生み出したのは、なんと”平成生まれ”の飴細工職人・
手塚新理さん。彼の飴細工の最大のポイントは、「90℃に熱せられた飴を、冷え固まってしまう4分の間に造形する」こと。誰もが足を止めて見入ってしまう、華麗な職人技をたっぷりとお見せします。

そんな手塚さんの元には、老若男女さまざまな7人のお弟子さんが集結!年齢も、前職もみんなバラバラ!中には50歳で弟子入りしたという強者も・・・。彼らはなぜ、それまでのキャリアを投げ打ってまで飴細工の世界に飛び込んだのか?
一番弟子の女性に密着していく中で、その強い思いと覚悟が明らかになります。
若き師匠と年上の弟子達・・・年齢もキャリアも関係ない、新しい形の師弟関係がそこにはありました。
編集後記
ディレクター:高木 泉(ViViA)
圧倒的なクオリティの飴細工を初めて見たとき、単純に心を奪われました。
「カメラで綺麗に撮ってみたいなあ・・・」と。
そこから興味を覚えて「アメシン」というお店を調べていくと・・・『28歳の飴細工職人』、そして『様々な年齢・前職の7人のお弟子さん達』。
とてもキャッチーなキーワードに俄然興味わきました。一体どんな世界で、どんな人たちが集まっているのだろうと。
いざ取材が始まると、戦場のように忙しいアメシンの工房に圧倒されつつも、若い人が中心だからか、とてもフレンドリーな現場。想像していた職人の世界とは違いました。年上の弟子が年下の師匠にタメ口で、年下の師匠が年上の弟子にタメ口。不思議な感覚でした。厳格な上下関係がない中で明確だったのは、手塚さんの技術力が絶対の道標になっていたこと。だからこそ、フレンドリーな雰囲気の中でも常に緊張感が保たれているのだと思います。
「昨日までに作った作品は全部過去のもの。自分で見るともう恥ずかしいです」
これは取材中に手塚さんがおっしゃっていた言葉です。伝統を守っていくには、その伝統を時代に合わせて進化させなければいけない。そんな気概の詰まった印象的な言葉でした。既に圧倒的な技術力を誇る手塚さんが、常に向上心を持ち続け、進化を求めている・・・。お弟子さんたちが追いつくのは相当大変なことだろうな、とゾッとしました(笑)